内容説明
楽しいバカンスをすごすために、別荘にやってきた人たちはみんな「ねこがいたら、いいのにな」と思います。その願いをかなえてくれるのが、ピーターサンドさんでした。でも、ある夏、事件が―「ゲド戦記」翻訳者、清水眞砂子が13年ぶりに手がけた子どもの本。ねこがいっぱい!スロボドキンの心あたたまるお話。
著者等紹介
スロボドキン,ルイス[スロボドキン,ルイス][Slobodkin,Louis]
1903‐1975。アメリカ、ニューヨーク州オールバニーに生まれる。13歳の時に彫刻家を志し、ボーザール美術学校を卒業後、彫刻家としてのキャリアを積む。1927年、作家のフローレンスと結婚。1941年、エレナー・エスティスに童話の挿絵を依頼され『元気なモファットきょうだい』(岩波書店)でデビュー。その後も数多くの作品を発表する。1944年『たくさんのお月さま』(徳間書店)でコルデコット賞を受賞
清水眞砂子[シミズマサコ]
1941‐。北朝鮮に生まれる。静岡大学教育学部卒業後、高校教諭を経て、その後34年間、青山学院女子短期大学の専任教員を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
56
小さな島でたくさんの猫と暮らすピーターサンドさん。毎年夏に訪れる観光客に頼まれて猫を貸してあげていたのですが、あるとき事件が起きてしまいます…。ユーモアを交えながらもいろいろと考えさせられる内容。素朴なタッチの挿絵がふんわりとしていい感じ。猫のピンとしたしっぽが可愛い。ピーターサンドさんの粋な優しさと猫への愛情がたまらない。その気持ちを想うと少し切ないけれど。2016/04/25
ケロリーヌ@ベルばら同盟
54
【にゃんこまつり2021】ホタル島は、漁師のピーターサンドさんと、灯台守が一人いるだけの島です。でも、ピーターサンドさんは少しも寂しくありませんでした。数え切れないほど沢山のねこたちと幸せに暮らしていたからです。夏になると、普段は街で暮らしている人々がホタル島にやって来て、別荘にねこがいないことを寂しがって、ピーターサンドさんのねこをひと夏の間、借りるのが常でした。しかし、ある年の夏、大変なことが起こりました!…ねこを飼うこと、友とすることの素晴らしさと、それに伴う責任を考えさせてくれる優しい物語でした。2021/02/22
ぶんこ
52
楽しい物語かと思ったら、切ない物語でもありました。ねこ好きには最初のうちは心穏やかには読めません。ピーターサンドさんの大らかさゆえ成立していたのが、ピーターサンドさんが長期入院で島を離れてしまいました。ここらあたりで読むのは苦しくなってきます。翌年の夏からは猫を貸し出すには契約書を作ることになったのです。メイベルさんの優しさがピーターサンドさんの不信感を拭ったのでしょう。声高に批難しないピーターサンドさんを見習いたいです。2016/04/29
さゆ
30
読メのみなさんの愛猫をみんつぶで目にするたびに、私も猫が飼いたいと思う。以前からずっと思っている。だけど借りているこの部屋は飼ってはいけないことに。それでも内緒で飼おうよ!と言うと法令順守が身上の息子にいさめられる。堅苦しいこと言わなくてもいいじゃんと思っていたが、この私に飼われる猫は、もしかすると幸せになはれないかもしれないと、この本を読んで思った。『百まいのドレス』のスロボドキンの優しいけれど、厳しい 1冊と思う。ところで猫が1匹多い絵が一つあるようんい思うのだけど、私の勘違いなのかな?2012/03/31
くみ
23
【猫本を読もう読書会】沢山の猫を飼っている漁師のピーターサンドさん。住んでいる島には夏の間だけ旅行者がやってきます。そして夏の間の猫を欲しがる。しかしある夏、ケガで入院中誰も猫の世話をしてくれてなくて。。「ねこ好き別荘住人委員会」のご婦人にピーターサンドさんが言った言葉が全てだと思う。そのあとのメイベルとこねこのエピソード、島を去る時のこどもと猫とピーターサンドさんの真剣な態度が大人を牽引したのも考えさせられます。2019/02/03