印刷職人は、なぜ訴えられたのか

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  • サイズ B6判/ページ数 103p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784751522202
  • NDC分類 K070
  • Cコード C0098

内容説明

1730年代のニューヨーク。イギリスの植民地だったこの街に、一人の男がやってきた。彼の名は、ウィリアム・コスビー。この男の登場が、アメリカの歴史に残る「言論・報道の自由」をめぐる闘いを引き起こし、やがてそれは、アメリカ独立への気運へとつながっていった。―「報道の自由」をめぐる、アメリカ史の知られざる1ページ。

目次

1 火花、散る
2 ニューヨーク・ウィークリー・ジャーナル紙、誕生
3 批判記事
4 総督の報復
5 屋根裏の牢獄
6 薄れゆく希望
7 裁きの庭
8 それから

著者等紹介

ジャロー,ゲイル[ジャロー,ゲイル][Jarrow,Gail]
作家。ペンシルヴェニア州育ち。大学では動物学を専攻。その後、小学校の教師となる。20代後半に転機をむかえ、歴史もの、伝記ものなど、ノンフィクションを得意とする、10代の読者のための書き手となる。その作品はいずれも高く評価され、多くの賞を受けてきた。ニューヨーク州イサカ市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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momonnga

8
歴史はこうして作られていく。イギリス植民地時代のニューヨークで本国から派遣された横暴な新総督に新聞を発行することで抵抗したニューヨーカー達の物語。ペンは剣より強し。自分達が黙って権力に踏みつけられる事を良しとせず、自分達の権利を主張してペンの力で攻撃する。欲しいものは自分達の力で掴み取っていく。権力に屈しない彼等は自由を愛し独立精神が高く、正にアメリカ人だ。50年後にイギリスから独立を果たすための革命精神の夜明けとなった事件。逮捕された印刷職人のゼンガーは物語の主人公ではない。彼は言われた通りに新聞を2019/09/01

tellme0112

8
映画を見ているようだった。山城さんを思った。学ぶべき教訓がある。2017/06/24

けんとまん1007

5
ノンフィクション。凄まじい時代があったものだと思うし、そういう時代があったからこそ、今の時代がある。しかし、今のメデイアを見ると、とてもガッカリしてしまうのは、自分だけだろうか。目の前のことだけにとらわれ、単に娯楽を消費財のごとく垂れ流すだけ、どのチャンネルをいれても同じものばかり。そういう意味では、この時代の少し後がいいのかもしれない。中で語られる言葉は、こころに染み入る言葉が多い。再読を奨める1冊だ。2011/12/25

みなみ

3
短いのだが、そのぶんコンパクトで読みやすく、抜群におもしろい。イギリスの植民地であったアメリカの、言論の自由を巡る戦い。わかりやすい悪代官的な総督コスビーの悪辣な行状、それにひるまず立ち向かう人々。本の最後には「言論の自由は、自由を理念にかかげる政府の屋台骨となるものだ。取り払われてしまったら、国は瓦解し、廃墟の上には圧政が敷かれることになるだろう」という、身につまされる言葉が出てくる。2019/04/30

広辺和隆

3
夏の課題図書になってしまうかもしれない一冊、 開拓時代のアメリカで政争の道具としてのマスコミとそれに巻き込まれた一人の印刷職人の物語。 アメリカという国が「自由」と「権利」を声高に叫ぶのはこのような歴史の上に成り立っているからだと納得も出来ますし、一部の権力者が富を独占し、それを批判すると攻撃されるという不条理は現代日本にも通じるものがあります。 2012/02/20

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