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内容説明
トーマスの家には秘密があった。それは…多感な少年が、自分なりのやり方でつらい現実を乗り越えていく姿が胸をうつ珠玉の名作。2005年(オランダ)金の石筆賞受賞作。
著者等紹介
コイヤー,フース[コイヤー,フース][Kuijer,Guus]
1942年、アムステルダム生まれ。小学校の教師を続けながら執筆活動を始め、1975年に児童文学作家としてデビュー。早くも1979年に、作家の業績全体に対して与えられる「青少年文学のための国家賞」をオランダで受賞し、名実ともに現在のオランダ児童文学界をリードする存在。『不幸な少年だったトーマスの書いた本』で2005年度金の石筆賞を受賞した
野坂悦子[ノザカエツコ]
1959年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、ヨーロッパに5年間住む。翻訳絵本『おじいちゃんわすれないよ』(金の星社)で、産経児童出版文化賞大賞を受賞。オランダ絵本関連の展覧会の監修、「紙芝居文化の会」海外企画推進委員など幅広い活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
朔耶
1
大団円とはいかないものですね。まぁ、トーマス側からみたらハッピーエンドかな。DV問題って昔の方が根が深そう。2014/06/19
ガロ
0
トーマスの父親は、異様に信心深く、家族の反抗を、許さない。妻にも、トーマスにも暴力を振るう。父親の暴力が家族の秘密。しかし、子どもたちに魔女だとからかわれている女性と交流するなかで、トーマスは父親の理不尽さ、暴力に少しずつ反抗し始める。トーマスを優しく包み込む母親、無関心だと思われたが父親の暴力に抵抗し始める姉。トーマス目線で語られる物語は、だんだんやりこめられる父親、女性の強さがみえて、爽快感があった。
菱沼
0
家の中で妻にいばりちらし、暴力をふるう男は非常に臆病で自分に自信が持てないのだと思う。強い人は暴力を使わない。深く重いテーマが内蔵されている物語だけれど、不思議にユーモラスに、軽めに読めるのがいい。男女問わず、強くありたいと思う人たちが読んで、ちょっと頬を赤らめながら笑ってくれるといいと思う。2016/12/22
timeturner
0
ナチスの傷跡が残る時代のオランダを背景に、宗教と哲学の香りのする児童文学。日本の子どもにはちょっと難しいけれど、現代の社会ではおなじみになった家庭内暴力をファンタジックに描いていると考えると腑に落ちるかもしれない。2013/09/16
百万石のマルコ
0
不幸な少年だったトーマスは幸せになれたのでしょうか?2009/02/27