内容説明
私は9歳のとき、両親を事故で亡くし、アイダホ州ボイジに住む祖父にひきとられた。やさしく、ときにはきびしく、「生きる」ということを教えてくれた祖父。ふたりで暮らした日々の思い出のなかで、ひときわ鮮烈によみがえるのは、あの日の情景。それは、あの夏の日、ナゲキバトを撃ってしまった日のこと…。深く、静かに、あなたの胸を撃ちぬく物語。人はいかに生きるべきか?小さなぼくに教えてくれたのは祖父だった。
著者等紹介
バークダル,ラリー[バークダル,ラリー][Barkdull,Larry]
アメリカのユタ州オレム市在住。『ナゲキバト』(あすなろ書房)でデビュー
片岡しのぶ[カタオカシノブ]
和歌山生まれの岩手育ち。国際基督教大学教養学部卒業。翻訳工房パディントン&コンパニイを夫と共同主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
(C17H26O4)
105
人はかなしい。時に大きな代償を支払うまで、大切なことには気づかない。嘘の魅力に抗って正直であり続けることは難しい。人はしあわせだ。機会を与えられ、結果を引き受けることの厳しさを身をもって知ることができる。生かされ生きていくうえで大切なことを学ぶことができる。祖父の厳しくも深い愛に満ちた教えが、心の深いところをゆさぶる。多くの真実の言葉が、温かな灯火のように静かに心にともる。その灯火はきっと、読んだ者の心のどこかでずっとずっと消えない。2019/09/21
あっか
90
読メで感想を見かけて気になった1冊。まさかポップが…!ラスト3行に胸を打たれる。両親を交通事故で亡くした9歳の主人公と、祖父ポップが心を通わせる物語。ポップが話してくれた教えはその都度ジーンと身に染みて来たけど、最後まで読んだ時、どんな気持ちで話してくれていたんだろうか…とさらに涙が滲んだ。特にナゲキバトのシーンは忘れられない名シーンだと思う。「西の魔女が死んだ」のような読了感です。読み仮名はないけど、130ページ足らずで字も大きく読みやすいので児童書なのかな。いつか子どもたちにも読んで欲しいなあ。2020/04/23
モリー
88
目に浮かぶ涙で文字が滲みました。クリスチャンではない私でも、神の恩寵を感じずにはおられません。この本は、当初、アメリカで自費出版により世に出たそうです。私の手元にこの本が届くまで、何万人もの読者が、この本を大切な人に紹介したことでしょう。私もまたこの本に出会えた喜びを他の誰かに伝え続けるます。「苦しいことがなにもない人生なんぞ、無意味だよ。わしら人間は、祈るなら、苦しいことの意味を理解するのを助けてほしい、と祈るべきだ。苦しいことを取りのぞいてほしい、と祈るのではなくね。」という言葉が胸に刺さりました。2019/11/23
naoっぴ
78
幼くして父母を亡くしたハニバルと、彼を育てた祖父との交流。平易なことばで語られる祖父の教えは大きな愛にあふれ、人が生きることの意味を諭してくれる。神に祈ることの意味、苦しみの意味、嘘をつくこと、命の尊さ。こんなふうにひと言の文字にすると陳腐で安っぽくなるけれど、深い真実が物語の中でしっかりと息づいている。祖父は不良少年のチャーリーを見つめる目さえ温かい。その理由を最後に知り、大きな感動のため息とともに本を閉じた。若い人たちにも是非おすすめしたい珠玉の物語。2019/11/03
zero1
76
静かな感動がここにはある!近くの図書館で貸出件数が多いということで読んでみた。作者は妻への贈り物として描いた話を自費出版したところヒット。9歳のハニバルは両親を事故で失い、祖父ポップと住む。銃で撃つという意味。愚かな行動と後悔、そして嘘が残す罪の意識。祖父が語る物語の結末は?キリスト教の世界観はあるものの、日本人でも共感することが多いはず。話題作やヒット作だけでなく、こうした地味な作品を紹介することも、読書人としての義務ではないか。クリスマスに贈る本としても適している一冊。読む価値あり!2018/12/16
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- 和書
- 農地六法 〈令和3年版〉