出版社内容情報
絵本 10歳~大人まで
南仏プロヴァンスの荒れ果てた山中にただ一人とどまり、何十年もの間黙々と木を植え続け、ついに緑の森をよみがえらせた老農夫エルゼアール・ブフィエの半生を描いた物語絵本。文芸愛蔵版(本体1262円)も好評発売中
第13回 絵本にっぽん賞特別賞 受賞
内容説明
フランスの山岳地帯にただ一人とどまり、荒れはてた地を緑の森によみがえらせたエルゼアール・ブフィエの半生。同名の短編映画は’87アカデミー賞短編映画賞受賞。
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- 評価
マージの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
477
原作者ジャン・ジオノの実体験に基づいて書かれたようだ。しかも、かなり長い時間にわたって何度も推敲を経て。ジオノにとっては、それほどに大切な物語だったのだろう。プロヴァンスというと風光明媚で晴朗な地を想像しがちだが、実はここで描かれるように山地は風が強く、存外に厳しい気候に耐えてきたのである。自然(木々)との共生と、その陰で苦闘した一人の老人の物語だが、視点をブフィェ老人に移すと圧倒的なまでの孤独の相が浮かび上がってくる。これは、そうした孤独への共感の物語でもある。2021/03/09
アサガオ先生
227
「私たちは、充実した人生を歩むために、働き、他人とかかわり合いながら、その一生を終える◇他人と自分を比較しながら、妬み、他人より幸せになりたいと願う者もいる◇自分以外の者を寄せ付けず、他人を蹴落とし、他人の為に奉仕しようとする心さえ、失われる者もいる◇そんな社会に心が傷つき、神経をいらただせ、自殺と心の病がはやりとなって、多くの命を奪い去る◇羊飼いの男は違った。心穏やかに旅人のマントを脱がせ、自らの家へ招き入れ、寄り添い受け入れてくれる◇彼の手には、鉄の棒と『どんぐり』。一つ一つ埋め込んで→2ページ目へ2016/12/22
やすらぎ
170
水がなければ生きていけない。大地が枯れれば去るしかないだろう。なぜ潤いを失ったのか、月日が過ぎれば忘れてしまう。1913年プロヴァンス地方の山深い地の話。人間は失うまで気づかないもの。たったひとりを除いては。彼の目に映っていたのは、今ではなく未来の景色だったのだろう。争いからは何も残らない。鉄の棒を武器として使わず生きる喜びを再生するために。人生をかけてやり遂げると大自然は応えてくれる。私たちの心はこのまま荒んでいくのだろうか。心の奥底では若く健やかな木々のざわめきを、せせらぎや木洩れ日を忘れてはいない。2026/02/07
zero1
145
人は戦争で大量に人を殺せるが、逆に助けることもできる。最初の舞台は1913年。木を植え続けた男が環境を整え、人の諍いも防ぐ。その男は名誉や報酬を求めてはいない。木を植え続けることが使命だからだ。キリスト教の世界観に反発を持っていても。国や文化が異なっていたとしても、この男の功績は受け入れられるだろう。小学校の国語教科書(光村)にも採用された名作。87年映画化(後述)。あなたは木を植える人?木に火を放つ人?戦争で森を荒れ地にしてしまう人?2019/11/25
サク
135
私は、中学校の国語の教師だ。この絵本を活用して、数多くの教え子たちに勇気と希望を与えてきた。教育相談をしていくと、悩みを持って皆真剣に自分と向き合い戦いたいと願っている。だか、自分を支えてくれる希望あふれる行動力を持った友がいないと彼らは嘆く。この絵本を通して、考えさせた事が忘れられない。私は、生徒に伝える。どんな逆境にも負けず木を植え続けた男によってできた環境が人々に潤いをもたらしたことに心を打たれれた。何気ない平和なこの世の中も過去をたどれば、一人一人の名もない英雄によって→2ページ目へ2015/05/03
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