見知らぬわが町 - 1995真夏の廃坑

見知らぬわが町 - 1995真夏の廃坑

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  • サイズ A5判/ページ数 110p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784751206447
  • NDC分類 366.8
  • Cコード C0036

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鷺@みんさー

29
私と同い年の、当時いち女子高生だった作者が、個人的な好奇心から自分の町の三池炭鉱の歴史を、自分で撮った写真と共に纏めた私家版が刊行されたもの。囚人坑夫や与論島からの移住者の被差別など、暗い歴史も存分に調べて書かれている。1995年というと、阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件があった年だ。文章は当時の高校生らしく、背伸びした表現やいわゆる中二っぽさもあるものの、興味深く読んだ。自転車でこれだけ一人で回って地元の人に聞き込みまでする意欲には恐れ入る。2022/06/15

ちあき

5
大牟田に住む高校生がまとめた手記。中川さんは夏休みのある日廃坑跡の櫓を目にし、強くひかれるものを感じる。やがて彼女は廃坑の写真を撮りはじめるが、手づくりの写真集に添えられた簡単な説明文には資料や証言をあたっていくうちに多くの加筆がなされ、レポートでも紀行文でもない文章の集まりに変貌していく。埋もれた歴史を再発見することで、自分の住む町がそれまでとちがった顔を見せる体験がみずみずしい文章でつづられており、好感がもてる本。重版の予定がないようならちくま文庫あたりでぜひ復刊すべき。2009/04/30

さくらみかげ

3
NHK福岡放送局が制作したドラマの原作。平凡な日常の舞台でも、その歴史を掘り起こしてみると、想像を絶する非日常を見出す、ということがある。自分の住む町の本当の歴史に触れ、凄惨な非日常を知るうちに筆者の心に芽生える若い決意が、退廃的な廃坑の写真と共に、ふしぎなタッチで描かれていくが、同時にある種の脆さを感じた。この作品に如何なるストーリーを付与しようとも、筆者の想い・情熱は脚本に吸収され、ただの人間ドラマとして消費される気がしてならない。いい意味で期待を裏切ってくれそうな気がして、ドラマを見てみたくなった。2011/01/15

読んで読まれて

2
高校一年生の夏休みに十部つくられた手製の本を元に出版された。 廃坑を写真におさめるうちに、囚人強制労働、暴動事件、囚人墓地、女坑夫、「ヨーロン」差別などの資料、証言につきあたる。 本を通して、炭坑と共に生きた人々とやりとりが始まる。 コロナ禍、自粛中の散歩などで、見知らぬわが町にあうかもしれない。 怪しげにあおる町探索案内もいいですが、この本の姿勢に感化されてみて下さい。 2020/05/17

1060

2
大牟田の高校生が、自らの興味に突き動かされ、自分の足を使って調べ、埋もれていた歴史を発見し、自分の町の知らなかった面について気づく様を、彼女の思考の変化とともに追体験する。 2013/03/23

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