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内容説明
出撃前夜、宮川軍曹はそう別れを告げ、翌夜、本当にホタルになって帰ってきた―映画「ホタル」で話題の“特攻おばさん”の哀切極まる重い証言集。
目次
ある将校
命あげる
事故死
ホタルになって
さらば開聞岳
自転車のチューブ
日傘の別れ
待っています
遺詠
手づくりの落下傘〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rokoroko
20
知覧に行ってきた。空に散った若い青年たち。今のこどもなら「なぜドローン使用しないのか」と笑うだろう。実際に自筆の遺書を読んだり写真見たりしてこの本に描かれていることを想像した。教育は恐ろしい。国ぐるみでの洗脳教育は恐ろしい。時代は移り70年経っても同じような事続けている人類ってなんだろう?2022/10/11
北本 亜嵐
16
「特攻の母」白濱トメさんの語りをもとに朝日新聞に掲載された本。「ホタル帰る」と重複している部分はあるけれど、どこからかトメさんの優しい語りが聞こえてきそう。今頃は天国で隊員達と昔話に花を咲かせながら、今の世の中を見ているのではないでしょうか…。2016/10/09
凛
11
戦後70年の節目の年に。知覧に滞在した特攻隊員たちが通った食堂で、隊員たちから母のように慕われたというトメさんによる証言集。「お国のために」散ることが誇りだと信じられていたあの頃。特攻隊員として散っていった人たちの写真も載せられていて、知っていることではあったけれど、あまりのその若さに胸が詰まるような思いだ。こんなにも若い命が散らなければならないような状況になってまで、戦う意味がどこにあったのか。これから死にに行くとも思えない彼らの笑顔が切なくて、もう二度と繰り返してはならないと強く思う。2015/08/14
まるよし
7
数年前に知覧に行った。知覧特攻平和会館が目的であった。この本に挿入されている写真、遺品を目にするに涙が止まらなかった。今の自分の悩みがいかに小さいか、彼らの希望する国になっているか、深く反省されられた。特攻を美化してはいけないが、日本という国が存続し発展を願って散った若者たちがいたことを絶対に忘れない。2023/08/26
ナツ
3
以前、鹿児島の知覧に伺ったことがあり、手に取りました。特攻隊とは一言ではくくれない。トメさんが出会った人々一人一人に思いや生活があったことが改めてわかった。「自由主義者」のページでは、上原少尉が「おれが戦争で死ぬのは国のためではなく、家族のため。おれは天国に行くから靖国神社へはいかない」という話を出撃前に家族にしていたという。毎年、夏休みにやってくる終戦記念日。戦争でたくさんの人の命が奪われたことをもう一度考えて、平和を何代先の家族にも手渡していきたい。2021/07/22