出版社内容情報
──「なぜ、長谷川等伯の絵からは色が消えたのか」
──「なぜ、ユトリロは質感のある白を描いたのか」
傷ついた心を回復するプロセスが、作品の色には宿っている。
色彩心理の研究とアートセラピーに長年取り組んできた著者による、絵画との深い対話。
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〈 一枚の絵が生きた人間の物語としてあらわれる 〉
生きることに困難を抱えた画家たちは、内面に渦巻く感情をキャンバスに解き放ち、心を癒やし、生命の歓びを描いた──。
色彩心理の研究をもとに長年アートセラピーに取り組み、絵は人の心の表現だと考える著者が作品を深く味わう見方をつづる。
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■世間に認められない苦悩を乗り越え、奄美を描き続けた田中一村
■偉大な父という呪縛を抱えながら、美しい陰影を描いた葛飾応為……etc.
作品に込められた、一人の人間の苦しみ、孤独、病、そして生の歓びに迫る18篇。
内容説明
画家たちはなぜその絵を描いたのか。生きることに困難を抱えた画家たちは、内面に渦巻く感情をキャンバスに解き放ち、心を癒やし、生命の歓びを描いた。色彩心理の研究をもとに長年アートセラピーに取り組み、絵は人の心の表現だと考える著者が作品を深く味わう見方をつづる。
目次
1 色彩に見る心の変遷―ニキ・ド・サンファルと上村松園
2 色が消えるとき―長谷川等伯とモーリス・ユトリロ
3 水彩で心安らいだ文豪たち―夏目漱石とヘルマン・ヘッセ
4 陰影表現に見る、人生の光と影―葛飾応為とエドヴァルド・ムンク
5 自画像―画家の深層を映す鏡―フリーダ・カーロと石田徹也
6 怖い!けど見たい、ダークサイドの美―月岡芳年とフランシス・ベイコン
7 病から生まれた新たな手法―高村智恵子とアンリ・マティス
8 孤独に支えられた独創性―田中一村とジョージア・オキーフ
9 囚われを超えて、空を描く―イブ・クラインと仙〓
著者等紹介
末永蒼生[スエナガタミオ]
1960年代より美術活動の傍らアートの原点でもある児童美術の心理的調査に関わり、色彩心理の研究を行う。同時期より、年齢性別、障害の有無を越えた自由表現の場「子どものアトリエ・アートランド」を主宰し、主旨に賛同したアトリエが全国に広がる。1989年、色彩心理とアートセラピーの専門講座「色彩学校」を江崎と共に開講。多摩美術大学を始め内外の大学で講義を行う
江崎泰子[エザキヤスコ]
編集者として雑誌や本を手がける傍ら、ギャラリー運営の経営をもつ。1988年、末永とともに(株)ハート&カラーを設立。「色彩学校」の運営や講師を行う傍ら、高齢者ケアを中心としたアートセラピー活動を実践。色彩関係の出版企画、カラーデザインの仕事なども手がける。また、日本の伝統色に関する関心が高く、『源氏物語』の色から江戸の流行色まで、日本独自の色彩文化を研究し、今に伝えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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踊る猫
m
kaz
K
茨木あき