出版社内容情報
《いとうせいこうさん、推薦! 》
「心」のなかった古代にまで飛んでゆく少年少女たちの冒険。
エンデが読んだらきっと喜んだだろう。
私たちエンデの子供たちも、読めばそのわけがよくわかる。
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《著者初となるファンタジー小説!》
小学5年生のたつきは、ある日、迷い込んだ町で「見捨てられた店」という不思議な骨とう店を見つける。
そこで手にした「オラクル・ボーン」(魔法のほね)は、3300年以上前の古代文字が刻まれた、未来を予知するものだった!
祖父の助けを借りながら読み解くうちに、そこには、生贄にされる羌族(きょうぞく)のことが記されているとわかる。
たつきは友だちふたりとともに、古代中国へタイムスリップ!
三人は力を合わせて羌族の人たちを助けようとするが……。
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不安になるということは、何かを変えなければならないというメッセージなんだ。
死にたくなるほど不安になるということは、それだけ大きな変化がこれから起こるという予兆なんだよ。
〈人一倍弱虫だった少年が、試練を克服することで強くなる〉
イラスト:中川学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Y2K☮
34
著者は「100分de名著・太平記」のテキストを書いている能楽師。一見は「夏休みの課題図書」風のライトな冒険小説だしその読み方でも十分楽しめる。だが実は学ぶ喜びを忘れ、目の前の現実に悲観的な大人にこそオススメの一冊。著者特有の言い回しを拝借させてもらうなら「大人と子ども」「過去と現在」「リアルとファンタジー」の狭間で紡がれた「あわい」の自己啓発書か。脈々と受け継がれた人の叡智の一端に触れ、未来は変えられるという一抹の希望を駆り立てられた。装丁やイラストも素晴らしい。亜紀書房の本はもっと注目されていいと思う。2022/07/30
かお
10
一気読みの面白さ。サクサク読める。文字の存在、漢字の成り立ちを学べる。落ち込んで学校から帰った日、骨董品ばかりの不思議な店に辿り着く。そこでオラクルボーンという、古代文字が刻まれた魔法の骨を持ち帰る。古代文字を解読し、生贄にされている民族を助ける旅に出る。 何も知らない幸せ、知ることで得られる平和。考えさせられるラストでした。 文字がいっぱいの本が苦手な子にも、オススメできそう😊2022/12/28
ときわ
9
児童書なんだよね?するするっと読めるのに、なんだかとても難しかった。これは何だろうと考えたら、小説というより神話だ。現代の小学生の立場で書かれているが、その訪問を受けた彼の地の人々が言い伝えていけば神話になっていく。アダムとイブはリンゴを食べて知恵がついた。あちらの人たちは字によって心を得た。実際の中国の歴史から紡がれた「字」の物語。2023/03/17
りんご1つ
1
羌族と いんの話は初めて知った。読まないタイプの本、なかなか面白かった 2022/11/03
natukoba
1
友人に「100分で名著太平記」紹介したら、偶然あちらからこの書物を紹介された。シンクロニシティ?能楽師安田氏の多才さに驚く。紀元前中国殷の時代、漢字、心、時間を知る。とても興味深いテーマ。心に代わる何かとは。2022/09/23