内容説明
はじまりは、極寒のアラスカの地。コーヒースタンドでアルバイトをしていた高校生サマンサ・コーニグが姿を消したのは二〇一二年二月二日のことだった。警察は最初、彼女が家出したものと考えた。だが、防犯ビデオの映像には、背の高い男が彼女を店内から誘拐する姿がはっきりと映っていた…。
著者等紹介
キャラハン,モーリーン[キャラハン,モーリーン] [Callahan,Maureen]
ジャーナリスト・ライター・コラムニスト。「ヴァニティ・フェア」「ニューヨーク・ポスト」などに寄稿。ポップカルチャーから政治問題まで、様々なジャンルに亘る執筆活動を行っている
村井理子[ムライリコ]
翻訳家・エッセイスト。1970年静岡県生まれ。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
91
本書の主人公イスラエル・キーズは数多いシリアルキラーの中でも特異な存在だ。似たような犠牲者を同じ方法で殺すのが連続殺人者の特徴だが、全く異なる被害者を別々のやり方で手にかけたのは珍しい。常識を覆されたFBIの心理捜査官が驚いたろうが、キーズを生かしておけば殺人心理の解明に大いに役立ったはずなのに。そんな事件より恐ろしいのはアメリカの警察・検察・拘置所などの無能ぶり。犯人逮捕の能力に欠け、出世のためなら捜査を妨害し、容疑者が自殺するかもとの警告を無視する。アメリカ人が司法を信頼せず、自ら武装するのも当然か。2021/12/10
ばんだねいっぺい
36
類書は読んできたが、ショッキングな内容の一冊だ。印象に残ったくだりとしては、サイコパスの特徴に、取り憑かれたように車を運転することや感情を心の奥深くまで押し込めるため、極端な行動でしか感情を呼び覚ますことができないというのがあった。本人はトラウマなどないと自己形成に言及していたが、第三者的には、過去にトラウマがあるように見える。本人が本人の傷を認識できないことが問題の根っこにあるのだろうか。 2022/03/16
チャッピー
34
アラスカで女子高生がアルバイト先で行方不明に。テキサスで容疑者として逮捕された男は前科なしだったが、取り調べ中に他の犯罪に関わっていることをほのめかす。狡猾なシリアルキラーの取り調べをインタビューして書かれたノンフィクション。ドラマのような展開だけど、警察・FBI・検察官による取り調べの連携の悪いこと!事実なんだから仕方がないとはいえ、後味悪い結末。2021/09/30
セロリ
33
ノンフィクションだがサスペンスを読んでいるような感覚。読み終わって、もう一度犯人を確保する部分を読み直した。頭がよく、時間管理と行動抑制のできるストイックな犯人を逮捕できたのは、現場捜査官の経験によるものだ。しかしその後の取り調べでは、ろくに経験もない思慮の浅い検事がしゃしゃり出てぶち壊してしまう。ドラマではあるあるの設定だが、それが現実だとは恐れ入る。同様に、シリアルキラーを題材にした小説や映像作品は数々あるが現実はとんでもなく悲惨で、理解できる着地点などどこにもない。理解できない狂気は不安でしかない。2022/01/16
to boy
19
シリアルキラーの取り調べを中心に語られていくノンフィクション。腕のいい大工としての顔に隠されたもう一つの顔。FBIや警察官らの取り調べの手際の悪いことが頻りに書かれていてちょっとうんざり。結局、彼は何人殺したのか、死体も出てこず真相不明のまま自殺してしまい、モヤモヤしたまま終わってしまった。2021/08/09
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