内容説明
「今の仕事をこのまま続けるつもり?」妻の一言が僕の人生を変えた。教員から一転、国内外で絶賛される写真家が生まれるまで。
目次
1 写真家になる(始まり;選択;願い ほか)
2 大切な出会い(ただならぬ出会い―矢萩多聞さんのこと;Brick Yard;パリフォト ほか)
3 写真をおくる(老女と青年;悲しみ;向き合う ほか)
著者等紹介
吉田亮人[ヨシダアキヒト]
1980年宮崎県生まれ。滋賀大学教育学部障害児教育学科卒業後、タイで日本語教師として1年間勤務。帰国後小学校教員として6年間勤務。2010年より写真家として活動開始。広告や雑誌を中心に活動しながら、作品制作を行い国内外で高く評価される。日経ナショナルジオグラフィック写真賞2015・ピープル部門最優秀賞など受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さすらいのアリクイ
8
マグマ本(マグマ本とは?という説明はあとで)。学校の教員だったこの本の著者、吉田さんが奥さんからウチに公務員は2人はいらない、あなたは学校の先生を辞めて下さいと言われ(!)、写真家の道を…という本の最初の方の記述が恐ろしい。理不尽過ぎて。読み進めると奥さんから出た公務員は2人いらない…という発言の明確な理由が書いてあったり(正直理解はできない)吉田さんは色々苦労しながら写真家として活躍されるようになるので良かったとは思うけれども、スタートが恐ろし過ぎるよなと。この最初の記述込みで本を出した出版社も凄い。2021/06/09
チェアー
8
筆者の妻に圧倒される。筆者を写真家にしたのは妻以外のだれでもない。彼に写真家になる素質があると見抜き、支え、慢心を諌める。彼女しか言えないことを言う。すごい人だと思う。 そして、写真集の表紙をぎりぎりのところでデザイン変更するところもすごかった。こういう感じ方ができて、主張できる人でないと、写真はやってはいけないのかもしれない。 一人の写真家の成長期。いい本だった。2021/04/11
Bridge
7
写真家としての10年を綴った本。そこには社会人になってから他の職業に就くことの難しさも書かれている。だが、ご本人がそれこそ「しゃにむに」頑張ったこと、励まし、見守る家族があったこと、いい出会いがたくさんあったこと、いろいろあって現在の吉田さんがあるんだと納得。 第2章では写真家になってから得た大切な出会いについて。 第3章では身近な人達を写した作品が写真集になるまで。 写真に興味のある人だけでなく、人と人のつながりについて考えることのある人にも響くものがあるはず。2021/05/18
UNI/るるるるん
4
荒波を進む姿を父親として子に見せるべき、という筆者の配偶者の主張や、彼女に導かれるように教師を辞めカメラマンになるその道程も最後まで理解できなかった。夫婦関係の奥底が知りたくて読んでいたようなものだった。もちろん詳らかにすることが正しい訳ではなく、ただ関係性が霧の中だったことが印象深かった。まるでサンガネールの人が言う“仕事は神から与えられたもの”のような。配偶者は筆者にとって神なのか?仕事の話はぐいぐい引き込まれる。パワフルだった。2021/08/09
unichin
4
友人から薦められ読みました。たった10年でプロとして活躍している吉田氏もすごいけど、後押しした奥様もすごい!写真の向こうにある被写体たちの生活をとりたいという テーマ性の強い氏の写真。私も機会ができたらぜひ写真展に行ってみたいです。2021/05/17