内容説明
食欲と人物ドラマが織りなすおいしい歴史。江戸の昔から、日本人の胃袋と心を満たし、人と人のつながりを生み出してきた外食。高級フレンチ、寿司、天ぷらからファミレス、カレー、中華、ラーメン、B級グルメにアジア飯まで、あらゆるジャンルの誕生、流行の変遷を網羅する初の本。読めばお腹が空いてくる、壮大な絵巻。
目次
プロローグ 「食は関西にあり」。大阪・神戸うまいもの旅
第1部 日本の外食文化はどう変わったか(ドラマに情報誌、メディアの力;外食五〇年;ローカルグルメのお楽しみ)
第2部 外食はいつから始まり、どこへ向かうのか(和食と日本料理;和食になった肉料理;私たちの洋食文化;シェフたちの西洋料理;中国料理とアジア飯)
エピローグ コロナ時代の後に
著者等紹介
阿古真理[アコマリ]
1968年兵庫県生まれ。作家・生活史研究家。食のトレンドと生活史、ジェンダー、写真などのジャンルで執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
104
1970年は「外食元年」であり、現在まで50年の内に変遷してきた日本の外食について徹底的に網羅したはじめての本。大阪万博で初めて外食をした日本人がほとんどだったのに、今ではミシュランの星が世界で最も多いのは東京なのだ。「料理の鉄人」「美味しんぼ」フランス料理からイタ飯ブーム、エスニック料理、フードトラック、インスタ映え、ローカルB級グルメと歴史の流れを追う第一部と、和食、肉食、洋食、中華、ラーメン・ギョウザ・カレーなどの詳細な歴史と今を知る各論の第二部。コロナ後のSDGsの時代に今後も変化は起こり続ける。2022/01/01
パトラッシュ
71
全史と名乗る本は多くの事柄に少しずつ触れるだけなのが大部分で、読後に欲求不満が残る。特に外食や料理は対象が幅広く、従来は狭いジャンル別の本ばかり出ていた。しかし本書は六百頁以上を費やして和洋中の料理とその歴史のみならず食材導入の経緯や料理人列伝、チェーン店の発展からグルメ漫画やドラマ・雑誌の果たした役割まで綿密に書き込んでおり、ある意味日本の戦後史を外食を通じて一望できる。ローカル食やモーニング、エスニックにも目配りしており、全史の名にふさわしい大著だ。日本の料理史を見る上で不可欠の本になるかもしれない。2021/05/13
Carlos
38
ほぼ他の書籍の引用だけど、このページをまとめたのは凄いかな。外食チェーンの始まりとかがわかって興味深かった。2022/02/19
yyrn
34
飲食はたくさんの思い出と深く結びついている。美味しかった料理はもちろん、一緒に食べた相手のこと、店の構えや場所、対応まで、この本を読みながら色々なことを思い出した。▼第1部「日本の外食文化はどう変わったか」では、70年の大阪万博から始まったと言われる日本の外食産業の盛衰や、マンガや雑誌、テレビで料理情報が競うように発信されグルメが大衆化し、さらに不景気で料亭文化が廃り、腕の良い料理人が大衆に近づいて個性的なレストランが多数生まれた結果、世界が認めるグルメ大国が誕生した、という解説には頷くところが多かった。2021/08/10
澤水月
19
箸で食べる豚カツは和食か? 鶏を日本人は食用でなくペットで飼っていたので近年まで野鳥を食べており焼き鳥の成立は…など興味付きない。守貞漫稿など古書や古川緑波、百閒に池波に…など文字文献に限らず、漫画やドラマ、芸能人回想最近のインターネット記事までも渉猟し浅く広く詰め込まれている。コロナ禍以降変わる食の風景も照射され本書を入り口に参照文献の海に飛び込みたい。700pあるがぐいぐい読めるものの何かを食べる時、当該箇所を摘み読みし読了に時間。オムライスの秘密メロンパンの謎は読みたい。 2021/08/18
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