内容説明
私たちが暮らす世界では、なぜ、“ことば”がここまで空疎なものになってしまったのか!?森友・加計、検事長の定年延長をめぐる数々のデタラメ、新型コロナウイルスをめぐるアレコレ、世界を、日本を跋扈するポピュリストたちのワンフレーズ、機能不全に陥っているメディア…。世の中を真摯にそして斜めに睨みつづける“至高のコラムニスト”が、雨後の筍のごとく湧いて出る様々な問題を、舌鋒鋭く、ユーモアいっぱいに斬り捨てる!
目次
1 あの人にさよならを。(言葉を扱うはずの「政治家」というお仕事;この奇妙な政治家への感情 ほか)
2 言葉と空気。(データは人生であり、墓碑銘である;「共謀罪」がこともなげに成立してしまう背景 ほか)
3 ワンフレーズの罠。(経済政策を隠蔽する用語としてアベノミクスは役割を果たしている;「安保はまだ難しかったかい?」 ほか)
4 がんばれ、記者諸君。(無視できない一部国民のメディア観;忖度と揚げ足取りで日本は回る ほか)
著者等紹介
小田嶋隆[オダジマタカシ]
コラムニスト。1956年、東京生まれ。早稲田大学卒業。食品メーカー勤務などを経て文筆業を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
69
タイトルのとおり、日本語を取り戻したい。7,8年くらい前からだろうか、言葉の持つ重みがどんどん無くなってきている。これは、持っている能力なのか、意図からくるものか。いずれにしろ、見逃せない。それは、この国全般に蔓延っているとも思う。伝染するものだ。それは、ミクロ的な短期的な短絡的な空気にもつながっている。問い自体の軽さもあるのかもしれないが、それを無視するのが当たり前は受け入れられない。もう、モラルの崩壊だと思う。2021/02/07
ネギっ子gen
54
私たちが暮らす世界では、なぜ、“ことば”がここまで空疎なものになったのか! 世界や日本で跋扈するポピュリストのワンフレーズ支配で、機能不全状態のメディア。<本書は、いちコラムニストが、日本語の守護者として安倍晋三その人と対峙してきたスコアブックの如き書物になっている/無意味な言葉は、一見無害に見える。しかし、10年付き合ってみればわかるが、誠実にものを考えようとする人々にとって、無意味な言葉ほど有害なものはない。いまこそ、日本語を取り戻さなければならない>。そう、“美しい日本”に住む者の責務として―― ⇒2021/09/26
まさ
33
タイトルに惹かれて読んでみました。同感!と思いつつも、期待していた内容とは違ったのはコラム集だからか。その時々のニュース等で見聞きして自分なりに思ったことを代弁してくれているよう。ただ、時間をかけてでも更に掘り下げたものを求めてしまう。美しい日本語で説明できるような。2021/02/14
かんやん
30
公文書の破棄、隠蔽、黙殺、改竄、議事録不作成、データ提出拒否、報告書受領拒否…「ちょっとした仲間内の公私混同事案に過ぎないのかもしれない…が、問題はそこにはない…誠実な回答を提供する意思を見せていない…国会を愚劣な言葉がやりとりされる場所に変貌させてしまった」黒川検事長定年延長問題(「この腐った人事の向こう側には、どんな犯罪が隠れているのだろう」)、佐川前国税庁長官証人喚問、河井夫妻選挙違反事件…どうにも徒労感に襲われる。旧統一教会の問題について、小田嶋氏が存命ならどう切り込んだだろうか。2022/07/29
冬佳彰
21
面白かった。でも、楽しくなかった。という感想が両立することがあるんだな。小田嶋隆さんのコラムをまとめたもの。面白味は、小田嶋さんの対象へのアプローチの仕方や、ロジックの展開、何を問題とするかの観点とかだな。で、楽しくなかったのは、ここに書かれた現象、世相、政治的(というほど高尚なものではない)な事象が、なんら改善されず、本邦の病態がさらに進んでいるようにしか感じられないことだ。うんざりする。そうだよな、貧しい土壌からひと晩で健やかな芽が出るなんてこたあないよな。本当に、取り戻したいね、まっとうな日本語を。2021/06/12