内容説明
世界中の人々の暮らしと経済が脅かされ、急速に資本主義システムの限界が露呈しつつある今、社会と市民に不平等を招く「垂直的権力構造」の解体を掲げたプルードン主義を再評価する。ポスト資本主義への処方箋。マルクスはプルードンの「所有」の概念に衝撃を受け、経済学に邁進した。プルードンはさらに変化を遂げ、アソシアシオンという画期的な考え方に到達する。資本主義の行き詰まりを打破する思想として、大いなる実践家でもあったプルードンの柔軟な思考と取り組みに光をあてた一冊。
目次
序論 ライバル、そして乗り越えるべき反面教師
第1章 プルードンは再起する―彼がつねに呼び出される理由
第2章 プルードンとは何者か―独創的かつ実践的な思想家
第3章 フランス革命の欠陥―「所有」をめぐるプルードンの画期的論考
第4章 マルクス作品への影響―『経済・哲学草稿』などをめぐって
第5章 大事なのは革命ではなく「経済」である―実践的社会改革派の思想
第6章 マルクスをプルードンで再生させる道―アソシアシオンとコミューン、相互主義と連邦主義
著者等紹介
的場昭弘[マトバアキヒロ]
1952年宮崎市生まれ。哲学者・経済学者。神川大学副学長。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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