内容説明
世界中の人々の暮らしと経済が脅かされ、急速に資本主義システムの限界が露呈しつつある今、社会と市民に不平等を招く「垂直的権力構造」の解体を掲げたプルードン主義を再評価する。ポスト資本主義への処方箋。マルクスはプルードンの「所有」の概念に衝撃を受け、経済学に邁進した。プルードンはさらに変化を遂げ、アソシアシオンという画期的な考え方に到達する。資本主義の行き詰まりを打破する思想として、大いなる実践家でもあったプルードンの柔軟な思考と取り組みに光をあてた一冊。
目次
序論 ライバル、そして乗り越えるべき反面教師
第1章 プルードンは再起する―彼がつねに呼び出される理由
第2章 プルードンとは何者か―独創的かつ実践的な思想家
第3章 フランス革命の欠陥―「所有」をめぐるプルードンの画期的論考
第4章 マルクス作品への影響―『経済・哲学草稿』などをめぐって
第5章 大事なのは革命ではなく「経済」である―実践的社会改革派の思想
第6章 マルクスをプルードンで再生させる道―アソシアシオンとコミューン、相互主義と連邦主義
著者等紹介
的場昭弘[マトバアキヒロ]
1952年宮崎市生まれ。哲学者・経済学者。神川大学副学長。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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耳クソ
13
マジかよマルクス最低だな。2021/11/28
オリハル|自称・思想家
1
近年、資本主義社会の行き詰まりを受けてマルクスの『資本論』が世界中で再読されています。それと同時に、マルクスのライバルであったプルードンの哲学にも注目が集まっています。本書はマルクス研究者の的場昭弘がプルードン哲学をマルクスとの対比に着目して紹介した本です。 資本主義は労働者の労働力を搾取することで富を蓄積し、資本家と労働者の間に著しい格差と不平等が存在する権威主義的な巨大国家を生み出しました。マルクスとプルードンの課題は、この資本主義が生んだ不平等と権威主義をどう乗り越えるかということです。2022/06/24
やまうち
1
☆112022/07/03