内容説明
エベレストの南麓、標高三〇〇〇メートルを超えるクンブ地方に暮らす「シェルパ」たち。彼らとの出会いは、存在をめぐる根源的な問いへと通じていた―。気鋭の人類学者が「世界」「自己」の自明性をゆるがす体験をもとに、ティム・インゴルドらの議論を補助線にして描き出す、刺激的なエスノグラフィ。
目次
第1部 流動するヒマラヤ世界(道・歩くこと・環境;調査地概要―エベレスト地域と「シェルパ」;「仕事は探検」―シェルパの村の生業と変容)
第2部 山道を歩く人々(荷運びの苦痛と希望―ローカル・ポーターとトレッキング・ポーター;道を案内する―トレッキング・ガイドと観光客;山中に道を作る―職業としての「シェルパ」をめぐる語りと実践)
第3部 道そのものに向かって(歩く身体、道としての身体;インフラストラクチャーとしての山道―山岳観光地域における「道」と発展をめぐって)
著者等紹介
古川不可知[フルカワフカチ]
1982年埼玉県生まれ。国立民族学博物館学術資源研究開発センター機関研究員。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。専門は文化人類学、ヒマラヤ地域研究。『「シェルパ」と道の人類学』が初の単著となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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