内容説明
「声を発しても耳を貸してもらえない人たちの口になるために」来日した教皇。弱き人々の届かぬ叫びとは何か。いま私たちは何を考え、どう行動するべきなのか。キリスト教を超え、全ての人々に重い問いを投げかける教皇のメッセージ。その核心を読み解く。
目次
1(「弱き者」の使者;出向いて行く教会;心が痛みに震えるとき;橋をかける人;「貧しい人」に学ぶ ほか)
2(貧しい人に導かれて―教皇フランシスコの革命;声を発しても耳を貸してもらえない人の声;平和の巡礼者;いのちのありか;いのちの声に出会う―教皇フランシスコからの問いかけ ほか)
著者等紹介
若松英輔[ワカマツエイスケ]
1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて第14回三田文学新人賞評論部門当選、2016年『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)にて第2回西脇順三郎学術賞受賞、2018年『詩集見えない涙』(亜紀書房)にて第33回詩歌文学館賞詩部門受賞、『小林秀雄美しい花』(文藝春秋)にて第16回角川財団学芸賞、第16回蓮如賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
38
全てを超えた祈り。感謝です。2022/09/16
Yuko
8
<弱き人々の届かぬ叫びとは何か。何を考え、どう行動するべきなのか。カトリック信徒でもある著者が、38年ぶりに来日したローマ教皇の言葉を深く味わいながら、現代日本の諸問題と希望の可能性を考える。> 2020年 直にお会いする機会を得られなかったのは本当に残念だったが、本著を通して、教皇フランシスコの来日の意味、そして彼の霊性に触れられたことに感謝したい。 2020/07/13
きり
3
ローマ教皇フランシスコのご逝去の報に接し、手にした本。分断が蔓延するところに『橋をかける』ことこそ、自らに定められた使命としていた。様々な壁を取り除き、差別、格差、疎外などから『いのちの尊厳』を取り戻し、希望の扉がみいだせるようにする。分断と対立は紛争へとつながり、移民、難民を生む。希望の扉が開くよう、世界中に出向いていく教皇フランシスコは、偉大な方だったのだと改めて思い知る。2025/04/28
セシリア
2
若松英輔氏の本はこれで2冊目。2019年11月に実現した教皇フランシスコ来日の意義を深めるべく、来日前のインタビューや教皇滞日スケジュールを共にしながらの思索がまとめられている。『種まく人』でも感じたが、若松氏の思索の深さに導かれる一冊。若松氏の大学時代からの知人によると、氏の読書量は半端ないそうだ。2020/03/16
くらーく
0
イエズス会ねえ。学生時代には必ず覚えているフランシスコ・ザビエル。現在もイエズス会があって、教皇フランシスコはそこからきているとか。へーだね。 来日前後に新聞、雑誌等に掲載されたものをまとめているので、同じことが繰り返し書かれている感は否めない。でも、だからこそ大事な事が分かってくる。フランシスコ教皇が弱いもの、貧しいものへ手を差し伸べる気持ちがとても強い事。いじめや差別について懸念している事。教会は差別なく自らが出向き寄り添うこと等々。 人格は環境が作ることも教えられる。安心安全に溺れていてはだめだな。2020/05/30