内容説明
1970‐80年代に米国・カリフォルニア州を震撼させた連続殺人・強姦事件。30年以上も未解決だった一連の事件の犯人を追い、独自に調査を行った女性作家による渾身の捜査録。
目次
第1章(一九八一年カリフォルニア州アーバイン;一九八〇年デイナポイント;二〇〇九年ハリウッド;オークパーク;一九七六‐一九七七年サクラメント ほか)
第2章(二〇一二年サクラメント;二〇一二年イーストサクラメント;カフスボタン最終章;二〇一二年ロサンゼルス;二〇一三年コントラコスタ郡 ほか)
第3章 ポール・ハインズとビリー・ジェンセンによる
著者等紹介
マクナマラ,ミシェル[マクナマラ,ミシェル] [McNamara,Michelle]
作家、犯罪ジャーナリスト(1970‐2016)。「黄金州の殺人鬼」と自ら名付けた連続殺人・強姦犯を長年にわたり独自に捜査し、多数の記事を「ロサンゼルスマガジン」誌他に寄稿。その後、『黄金州の殺人鬼―凶悪犯を追いつめた執念の捜査録』を執筆中に死去。その遺稿をもとに彼女自身が立ち上げたサイト「トゥルー・クライム・ダイアリー」のメンバーと俳優の夫パットン・オズワルト、その他編集者がまとめあげた
村井理子[ムライリコ]
翻訳家・エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
112
1980年前後にカリフォルニア州=黄金州で十数件の殺人と何十件ものレイプ事件を起こした男は、30年以上のちに逮捕された。元警察官だった。彼を追っていたジャーナリストのマクナマラは執筆中に急死。未完の原稿を夫らが仕上げた。犯人逮捕はこの本の発刊後間も無くだった。その意味でセンセーショナルだが、原稿はうまくまとまっておらず、急死した作者自身の体験も多く、訳も読みにくい。犯人逮捕の決め手は、結局DNAとはなんとも…。最初の100ページほどと後書き以外はざっくりと読んだ2020/02/24
Panzer Leader
68
1970-80年代にカリフォルニア州を恐怖に陥れた連続殺人・強姦事件。余りに広範囲そして数多くの犠牲者を生んだため、複数の犯人と思われていたが、DNA鑑定により単独犯の犯行と判明。彼を「黄金州の殺人鬼」と名付けた女性作家の全ての情熱を傾けた渾身のルポルタージュ。彼女は本書を上梓することなくこの世を去ってしまうが、夫と協力者によって執筆・出版された。その後逮捕された真犯人に対して本書は直接には寄与していないものの、彼女の綿密なる取材・犠牲者を思う気持ち・犯人を憎む思いが解決に導いたことは間違いない。2020/08/25
キムチ27
52
あ~~やっと終了・・もう えーわとの読後。何時頃だったろう・・テレビで「プロファイリング」関連が大はやりしたことを思い出した。筆者は完成を見ることなく捕まった犯人の実像に自ら迫ることなく夭折。この作品を仕上げる為気力体力共に消耗してしまったのかと思ってしまうほどの力作。日本人にはあるだろうか?赤軍派とかオウム事件とか酸鼻極める事件をかように執念で追跡し、纏め上げる人が!もっとも、読みたくないが。ラスト アメリカ史上最悪の犯人の顔が出ているが・・正常のスタンスで読み続けられなく異常な形で読み切った(笑) 2020/11/12
ヘラジカ
38
序盤は本筋とは関係のない作者の来歴や別の事件などを長々と読まされて苛ついたが、いざ本書のテーマである"EAR"の話が始まると、ほんの数百ページであまりのおぞましさに気分が悪くなった。おかしな話だが殺人鬼としての凶悪な事件ばかりを頭に思い浮かべていたために、連続する婦女暴行事件の細部に耐えられなかったのだ。正直に言うと半分ほど読んで半ば挫折してしまった。後半は読み飛ばし。数字だけを聞いても不快感を味わうのに、更には結局ほんの最近まで野放しになっていたということが最初に明かされるので途中で読む気力が尽きた。2019/10/01
かんやん
36
1976〜1986年までに50人を強姦し、10人以上を殺害した黄金州の殺人鬼は誰なのか? 著者の急逝により未完の原稿を編集したものだから、読みやすいとは言えない。話もなぜか時系列ではないし。しかし、未解決事件について調べてゆくうちにどっぷりはまり込んで抜け出せなくなる感覚が伝わってくる。そういうマニアのブログを自分も愛読している。2018年、最後の事件から30年以上経て犯人逮捕。本書発売二ヶ月後のこと。著者も、捜査官たちも真犯人を知らない段階での推理・推測が述べられているのが興味深い。2022/10/21