内容説明
「国家的イベント」に、問題はないのか?18の理由をあげて、大反対。ダメなものに、きちんと声をあげる、真摯な提言集。
目次
世界のオリンピック批判
東京五輪と神宮「再開発」
パラリンピックがもたらすもの
オリンピックはスポーツをダメにする!?
ナショナルイベントとしての東京五輪
3.11と「復興五輪」
オリンピック至上主義vs市民のためのスポーツ
女性とオリンピック
2020東京オリンピックに反対する18の理由
著者等紹介
天野恵一[アマノヤスカズ]
1948年生れ。反天皇制運動連絡会、ピープルズ・プラン研究所運営委員、「市民の意見30の会・東京」ニュース編集委員
鵜飼哲[ウカイサトシ]
1955年生れ。一橋大学教員。フランス文学・思想専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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松本直哉
28
あらゆる意味でオリンピックはオワコンなのだろう。環境破壊、地元民の住む権利の剝奪、現場の過重労働と少数の富者の金まみれ、パラリンピックという名の優生思想。また、男女の性別がグラデーションだと広く知られてきたにもかかわらず、いまだに男女二元論を前提として、しかも女性には性別の検査をし、女性らしくない女性は参加させないという恐るべき人権侵害が公然と今も行われていること。現代の文明の醜悪な矛盾がすべて凝縮されたものがオリンピックなのだなあと改めて思った。小出裕章さんの、原発非常事態宣言が(コメント欄へ)2019/09/07
garth
9
ミソもクソも一緒になってる感じで、学校体育の問題まで広げられてもなって感じ。具体的な部分ではやはり新国立がらみの利権の話がおもしろかった。あと気温の話もするべきだった。2019/08/01
アーク
5
オリンピックでメダルを獲った選手であっても、引退後は話題に上がることも少なくなり、悲惨な生活を送っている方は意外に多いという。オリンピックの開催された都市ではその後に不景気になるというのは有名だし、オリンピックってスポーツ選手と経済の焼き畑農業なんじゃないだろうか。まあ大規模な経済活動である以上、どうせ今後も続くんだろうから、誰かが言っていたように開催地を固定して、人里離れた山奥や離島にすればいいんだよな。オリンピックの弊害を炙り出した一冊。2019/10/24
白河清風
5
オリンピックの負の側面を纏めた本だ。私はその中で「復興五輪」とボランティアについてが、特に酷いと思った。安倍首相の「アンダーコントロール宣言」は全くの嘘で、汚染水は未だに太平洋に垂れ流しです。さらに放射能の安全基準が年1ミリシーベルトから20ミリシーベルトへとあげられ、福島の人たちは以前よりも放射能が20倍の地にも強制的に帰還させられている。それと、今やスポンサーが実質的に五輪の主人となっていて、11万人のボランティアは、彼らのビジネスために過酷な状況での無給の労働が行われる体制になっている。2019/10/02
hideiz
3
東京オリンピック直前、今でもやめてほしい気持ちはある。で、この本。読んでみると、いま東京に招致することの問題点はもちろん、オリンピックというもの自体がいろいろ問題を含んでおり、雑にいえば前時代的なものなんだとよくわかった。流行のSDGs(議員から芸人までバッジつけてるあれ)には実はたくさんの定義付けがあるのだが、オリンピックはそれに反するイベントなのだ。漫然とムードにつられてお祭りに浮かれてばかりいることを反省。2020/02/01