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内容説明
12歳でレイプされ引き裂かれた魂は、飽くなき「食欲」へと向かった。最重260kgの体に隠された数奇な物語。『バッド・フェミニスト』を超えた骨のきしむような回顧録!レイプ、過食、嘔吐、超肥満、差別、同情…。少女時代から作家になっても続く苦悩と辛酸の日々。
著者等紹介
ゲイ,ロクサーヌ[ゲイ,ロクサーヌ] [Gay,Roxane]
1974年米国・ネブラスカ州生まれ。ハイチ系アメリカ人の作家。大学で教鞭を執りながら、フィクション、ノンフィクションの両方の分野で執筆活動を行う。2014年、初のエッセイ集『バッド・フェミニスト』がベストセラーに(邦訳版亜紀書房刊)
野中モモ[ノナカモモ]
ライター、翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
134
完全に理解なんて出来ない。12歳の時、付き合っていた好きな男の子の自転車の後ろに乗っかって一緒に行った小屋。そこで複数の男の子にレイプされた。そのことは何十年も言わずにきた。それから、食べた。誰にも言わなかった。勉強していい子でいた。最難関の大学に行った。でも、逃げだす。その間にどんどん増え続けた体重...。彼女のふくよかで明るい外見の写真と作品の内容の乖離が不可解で、あとがきで彼女がレイプされていたことを知り、この作品を手に取った。理解されるために書いたのではないのだろう。さらけ出すことでの自らの解放。2019/03/28
たまきら
45
読み友さんの感想を読んで。愛していると思っていた男の子と、その友人たちにレイプされた12歳のやせっぽちの女の子。彼女がその後防御として身に着けたのは脂肪だったーまず作者の率直さにたじろぐ。その描写が、自分を俯瞰できる目が、わたしを震え上がらせた。彼女が奪われ、求め、飢えていたものをずっと考え続け、結びの言葉ではっとした。彼女はすべての女性の「飢え」の代弁者でもあったと。一読の価値がある本です。2024/12/15
ネギっ子gen
42
【自分の体でいることを心地よく感じている人がはたしているだろうか?】(最大体重が262kgあった女性作家による)体について、飢えについての回顧録。原題「Hunge」は「anger」に通じ、邦訳「飢える」は「well」に通じるかなぁ……。共感箇所多し。<12歳のとき、私はレイプされ、それから私は食べて食べて食べて自分の体を要塞にした。私はめちゃくちゃで、それから成長し、あの酷い日から遠く離れて別の種類のめちゃくちゃになった――よく愛しよく愛され、よく生き人間らしく善くあるよう全力を尽くすひとりの女だ>と。⇒2024/11/12
読書熊
5
どうやったら痩せるかではなく、痩せなくてはいけないという強迫観念を抱かされる社会を考える本。さらに著者は、子どもの頃にレイプされ、自分を守る鎧として食べ続け太り続けた。フェミニズムについても考える一助になる本でした。2019/05/12
燈子
4
これほど魂を削るようにして書かれたものに、立場が違う自分が共感を安易にしてよいのか戸惑うくらい、分かる、と思う部分がいくつもあった。自分の周りにあるものを信じられなくて、善いものを選べなくて、より破滅を選ぶのは、生き延びるための手段だ。それが分からない人はきっと幸運だ。摂食に関する逸脱行動は、イメージと強く結びついた行為のように思う、自分の身体を要塞とするため食べた彼女のイメージは彼女を生き延びさせたと思う、たとえ、そのあとに肥満として生きる長い道のりがあろうと。2021/02/22