出版社内容情報
弱き者のささやきを聞き逃さないために
石牟礼道子へ、また多くの逝きし者たちへ、ことばを贈る。
詩歌文学館賞受賞の詩人・批評家の待望の第三詩集。
若松 英輔[ワカマツ エイスケ]
著・文・その他
内容説明
石牟礼道子へ、また多くの逝きし者たちへ、ことばを贈る。詩歌文学館賞受賞の詩人・批評家の待望の第三詩集。
目次
私はわたしを知らない
愛の発見
祈る人
あやまち
掘る人
本と金と
つたない詩集
緑色の光
コトバの人
誘い〔ほか〕
著者等紹介
若松英輔[ワカマツエイスケ]
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授・批評家。1968年生まれ、慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代求道の文学」にて三田文学新人賞、2016年『叡知の詩学小林秀雄と井筒俊彦』にて西脇順三郎学術賞、2018年『詩集 見えない涙』にて詩歌文学館賞、『小林秀雄美しい花』(文藝春秋)で角川財団学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やすらぎ
149
詩に出会うまで、随分と長い道を歩かねばならなかった。探しているものはすでに心のうちにあって、自らを支えているものかもしれないのに。…人は自分を知らない。自分の言葉の力を知らない。声を知らない。自分が放っている光さえ気づかない。「私は自分で自分に感動できる人間になりたい。」…大事なことを探したいと本ばかりを読んで、隣人の悲しみに目を閉ざす非情な人にはなりたくない。「水をください。こころを満たす言葉という渇くことのない蒼い水を。」…詩集が道しるべとなり、人々の心に明かりを灯す。何度でも、言葉を紡ぎ、心を繋ぐ。2021/10/20
ルカ
39
亡き石牟礼道子さんへ贈る詩集。 目に見えないものほど、言葉に出来ないものほど、それを表すために詩を書こうと著者は言う。 大切な人が亡くなったとき、思いをひたすら書く。手紙として届けるように。2019/08/27
あじ
34
ことばが表面張力をすり抜けて つっっと燃える水滴を流す◆若松氏の第三詩集 2019/05/17
テクパパザンビア
27
面白かった。『私はわたしを知らない 』と『わたしはいつも 悲しむのがおそい』がお気に入りです。2019/10/10
とよぽん
26
Ⅱ部の詩は、亡き人、石牟礼道子さんへの手紙。装丁が名久井直子さん。表紙の金色の水滴が存在感を放つ。本を持った感じは、軽くて手になじむ柔らかさがあった。若松英輔さんの詩は初めて読んだ。「言葉の供物」の3連、4連「言葉をささげよ」、「燃える水滴」の、さくらの樹を介した亡き人との交信。静かだが強い思いが表されている。2019/10/10