出版社内容情報
私の育て方が悪かったんですよね
「普通」の幸せに背を向ける娘にいらだつ「私」。
ありのままの自分を認めてと訴える「娘」と、その「彼女」。
ひりひりするような三人の共同生活に、やがて、いくつかの事件が起こる。
韓国文学の新シリーズ「となりの国のものがたり」第2弾!!
キム・ヘジン[キム ヘジン]
著・文・その他
古川 綾子[フルカワ アヤコ]
翻訳
内容説明
老人介護施設で働く「私」の家に住む場所をなくした三十代半ばの娘がしばらく厄介になりたいと転がりこんでくる。しかも、パートナーの女性を連れて。娘の将来を案じるあまり二人とぶつかる「私」にやがて起こる、いくつかの出来事と変化とは。LGBT、母子の関係、老いというテーマを正面から見つめ「シン・ドンヨプ文学賞」を受賞した傑作長編。
著者等紹介
キムヘジン[キムヘジン]
1983年、大邱生まれ。2012年に短編小説『チキンラン』が東亜日報の新春文芸に当選して作家デビューを果たす。2013年、ホームレスの男女の愛を描いた『中央駅』で第5回中央長編文学賞、2018年に『娘について』で第36回シン・ドンヨプ文学賞を受賞
古川綾子[フルカワアヤコ]
神田外語大学韓国語学科卒業。延世大学教育大学院韓国語教育科修了。第10回韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。神田外語大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
84
日々、老いていく「私」。身体が軋み、できない事が増えていく事に嘆く彼女は、認知症のジェンを世話することで死に緩慢に近づきつつも、吐き捨てられたガムのように味気なくもしぶとい生を見つめるしかなかった。そして「善人」である「私」でも同性愛者の娘を自分の育て方への罰や恥だという考えから逃れられない。だからこそ、自分達の為でなく、未来のために差別と戦う娘達の活動にも「何故、こんな得にもならない、無駄な事をするのか」と拒絶を示してしまう。これはとても身近な家族の問題を抉り出した作品だ。2019/09/07
ネギっ子gen
71
【今日やるべきことに思いを巡らせ、とにかく無事に終えることだけを考える。そうやって果てしない明日を通り抜けていけるはず。そう信じるだけ】老人ホームで働く私は、娘を想う――。推し本。刺さる記述が多し。たとえば、<終わりの見えない労働。そんな骨の折れる労働から私を救ってくれる人は誰もいないのだな、という諦念。働けなくなったらどうしようという不安。つまり私の気がかりは、常に死ではなく生なのだ。生きている間は無限に続く、このよるべなさにどうにかして打ち勝たなければ。/これは老いの問題じゃないのかもしれない>と。⇒2026/04/18
アマニョッキ
62
母親というのは本当に厄介だ。「わたしに落ち度があったのかもしれない」この言葉が胸をうつ。わたしがきちんと産んであげられなかった。わたしがきちんと育ててあげられなかった。わたしもいつも思ってしまう。「きちんと」の正解なんてどこにもないのに。キム・ヘジンという作家の強さが溢れている作品。今回も素晴らしかった。2020/02/20
りつこ
47
「善い人」として生きてきた母親が、娘の同性愛を恥ずかしく思い、育て方が悪かったのか教育を与えすぎたのがかえってよくなかったのかと悩む姿には「娘の生き方を認めてあげなよ」という思いを抱きつつも、気持ちはわかるので身につまされた。介護施設で働く彼女は、若いころにアメリカで学びヨーロッパで活躍し自身とは全く関係のない子どもたちを援助したジェンの介護をしているのだが、認知症が酷くなったジェンは待遇の悪い施設に送られるのを目の当たりにする。死ぬまでが長くなった今日これが誰にも訪れる現実なのかと思うとやりきれない。2019/07/28
星落秋風五丈原
44
多分日本にも同じ題材を扱った本はあるんでしょうね。でも韓国文学にこえられちゃったなぁという気がします。オンマのイメージも時代によって変わらざるを得ないですね。2019/01/23




