内容説明
なぜローマは短期間に巨大帝国を築き得たのか?この人類史のミステリーに、大英勲章受賞の「イギリスで最も有名な古典学者」が挑む。「全米批評家協会賞」最終候補、「カナダ・カンディル賞」ノミネートなど、アメリカ・ヨーロッパ・アジア各国で大反響を呼んだ、驚きと興奮の歴史書!
目次
第8章 歴史の舞台裏
第9章 アウグストゥスの変身
第10章 十四人の皇帝たち
第11章 持てる者と持たざる者
第12章 ローマの外のローマ
エピローグ 古代ローマ、前半の千年
著者等紹介
ビアード,メアリー[ビアード,メアリー] [Beard,Mary]
ケンブリッジ大学古典学教授、ニューナム・カレッジ特別研究員、「ロンドン・タイムズ」紙文芸付録の古典文学編集者、英国学士院会員、アメリカ芸術科学アカデミー特別会員。テレビ、ラジオなどメディアにもたびたび登場し、「イギリス一有名な古典学者」とも呼ばれている。著書は『Pompeii:The Life of a Roman Town(ポンペイ:ローマの町の生活)』(2008年、ウルフソン歴史学賞)など多数。アストゥリアス皇太子賞、大英帝国勲章受章
宮〓真紀[ミヤザキマキ]
英米文学・スペイン語文学翻訳家。東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
19
とてもシンプルで分かりやすく面白い。図版も多いのでページ数が多いわりにはあっという間に読めてしまう。再読してⅠ巻と共に感想更新予定。2018/06/01
組織液
17
なんというか、ローマ帝国の「現実」が見えた気がします。今までも偉大な帝国と語られ、現在も技術や法制度からオーパーツなんて言われていることをよく見ますが、アウグストゥスも万能ではありませんし、賢帝とされている皇帝もエグいことするわ、墓で寝起きするホームレスやインスラエの上階に住む人々の生活はかなり厳しかったようです。(当然、古代にこれはローマすげぇってなることもあるんですが) 各皇帝の性格やら行動は帝国史に大した影響を与えていないなど非常に興味深い内容でしたが、上巻に比べると少し新鮮さに欠ける気もしました。2020/09/03
ケニオミ
13
ローマ帝国史については、今まで積極的に読んできましたが、詳細については、情けないほどほとんど覚えていません。本書を読んで、また一から勉強し直した気分です。次期皇帝を選ぶ際にはやはりいろいろと揉め事があったのですね。アウグストスの彫像(理想像)と本人とは異なるのにも拘らず、帝国内にこれでもかと彫像を作らせる厚顔さ。この厚かましさも皇帝の資質の一つかもしれません。国庫と自分の財布との区別がつかないなんて、一度皇帝になってみたいものですね。暗殺の危険性が常に付きまとうという心配はありますが・・・。2018/09/02
MUNEKAZ
9
下巻はアウグストゥスからカラカラまで。それぞれの皇帝の性格やスキャンダルといった差異よりも、元老院との関係や後継者問題など彼らの共通点を示すことで、帝政の本質を探ろうとするところは面白い。また建国以来、ローマ帝国が市民とそうでないものの緊張関係、そして市民権の拡大による統合を常としてきたとして、帝国の転換点に市民権そのものを無価値にしてしまったカラカラ帝のアントニヌス勅令を挙げて結びにしているのも興味深い。単純な皇帝列伝に陥らない帝政期の概説書として出色。2018/09/20
ふぁきべ
7
I巻と同じく、学習において重要な『疑うこと』を考えさせてくれる良書。これまでいろいろなローマ史の本を読んできたが、これほどに新しい視点を与えてくれる本はなかったように思う。この本を読んだ後にこれまで読んだローマ史の本すべてにもう一度手を付けてもいいかもしれない。ローマ史愛好者なら必読の書。2018/10/17