内容説明
チキン砲、悪臭爆弾、死体からのペニス移植!?クソ真面目なのになぜか笑える、軍事サイエンスの試行錯誤を、「全米でいちばん愉快なサイエンスライター」が、空気を読まず突撃取材!
目次
第二の皮膚―戦地へは何を履いて赴くべきか
ブーム・ボックス―爆弾を搭載した車両を運転する人たちのための、自動車の安全性
耳の戦い―軍を悩ます騒音問題
ベルトの下の世界―最も残酷な銃撃
ヘンな話かもしれないが―生殖器移植に敬礼
炎の大虐殺―衛生兵はどうやって折り合いをつけるのか?
汗をかく銃弾―熱との戦い
漏らすSEALs―国家機密を脅かす下痢
ウジ虫の逆説―戦場のハエ、善かれ悪しかれ
殺しはしないが、やたらとくさい―悪臭弾略史
古い仲間―サメ忌避剤の作り方とその試験方法
沈む―海でなんだかヤバイいとき
海の底で目を覚ます―眠ろうとする潜水艦
死人からのフィードバック―兵士への死者の貢献
著者等紹介
ローチ,メアリー[ローチ,メアリー] [Roach,Mary]
1959年生まれ、カリフォルニア州オークランド在住。「アウトサイド」誌、「ワイアード」誌、「ナショナル・ジオグラフィック」誌、「ニューヨーク・タイムズ」紙など多数寄稿
村井理子[ムライリコ]
1970年静岡県生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
22
戦争に莫大な費用と人材を投資してきた国らしいなあ…というのが最初の印象です。そして、成功したらとことんその成果で稼ぐところもすごい。絶対にペニスの移植に成功したら、これ民間で莫大な利益を生むよね。…素直に感動している人には悪いけど、軍人は結局大いなる人体実験に活用されてるよな…と。それを知ってあえて従軍するか、まったく知らないで利用されるかで、立場は色々変わってくるのかも。2020/06/19
やっさん
21
兵士を取り巻く環境を和らげる研究の数々。スナイパーは腹ばいになったら前部のファスナー・ボタンはストレス。なるほど。イラクの路面の爆弾で吹っ飛ばされた陰茎の蘇生術、陰茎の移植?損傷した陰茎で再びオーガズムを得られるなんて!すごい。衛生兵の訓練、うじ虫を使った医療、殺傷能力ではなく、臭さで戦意を喪失させる兵器、サメを忌避させる方法、潜水艦が沈んだ際に採られる手法…様々なシーンで様々なリスクがある兵士を救おうという研究は今も進化しているのだな。表紙の写真がなんなのか分からなかったけれど。2019/10/22
くさてる
21
題名から連想する内容は、ちょっとおかしな(馬鹿げた)軍事研究だけど、この本で取り上げられているのはまさに「兵士を救え!」という内容の研究ばかり。ミサイルの爆発音から兵士の耳を守るには?生殖器を失った軍人に移植の方法はあるのか?殺しはしないがダメージ確実な悪臭爆弾とは?なるほど戦争によって人類の技術が進歩してきたというのは本当なのだなと思わされた。著者の語り口はあくまで軽く、ユーモアがあって楽しかった。そしてその結果、軍事研究というものについて通り一遍のイメージ以外のものを得られた気がした。面白かったです。2018/04/28
χ
10
戦闘服、装甲車、騒音、性器移植、救助、汗、下痢(ゲリラではない。ある意味ゲリラだけど)、ウジ虫、悪臭弾、サメ忌避、潜水艦勤務、屍体。マイナーだけど戦争に深く関わりのある分野の話。軍事技術には科学の最先端が詰め込まれるわけだからもっと紹介されてもいいのになかなかない。ちょっと前のでもいいんだけど機密事項に触れるのかな。その不満を解消してくれる?一冊。文だけなのにグロい描写に十分眉をひそめた2017/12/19
vonnel_g
4
こんなタイトルだけれど、中身も一見地味で「なんでこんなこと?」みたいに見える研究が多いけれど、いたって真面目というかどれも人間の活動に欠かせない事象ばかり。輸血や整形外科が発展したように、こういうところから普通の生活に応用される技術が生まれることも多々あるのだ。帰還兵に難聴がすごく多いというのは他の本にもあったな。障害者の性生活のところで大好きな映画「セッションズ」を思い出す。2019/09/09