亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ<br> ミズーラ―名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度

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亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ
ミズーラ―名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度

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  • サイズ B6判/ページ数 516p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750514420
  • NDC分類 936
  • Cコード C0030

出版社内容情報

レイプ犯の8割以上が、顔見知りである。



モンタナ州第2の都市、ミズーラ。

この町のシンボルは、15,000人の学生が通い、800人以上の教員が勤めるモンタナ大学である。

同大学のアメフトチーム「グリズリーズ」は、市民たちの誇りでもあった。だが、2010年から2012年にかけてグリズリーズの選手たちが引き起こした複数のレイプ事件が明るみに出ると、静かな大学町の空気は一変する。

被害者への誹謗中傷、理解を示さない警察、事件を不起訴にする検察、加害者の特権意識、世間の偏見……なぜ加害者は町ぐるみで守られるのか。なぜ被害者たちが、捜査と裁判の過程でセカンドレイプに苦しまねばならないのか。

詳細なインタビューと丹念な取材を通して、レイプスキャンダルの真相と司法制度の矛盾に斬り込む、全米ベストセラーノンフィクション。

ジョン・クラカワー[ジョン クラカワー]
1954年生まれ。ジャーナリスト、作家、登山家。
当事者のひとりとして96年のエベレスト大量遭難事件を描いた『空へ』(1997年/日本語版1997年、文藝春秋、2013年、ヤマケイ文庫)、ショーン・ペン監督により映画化された『荒野へ』(1996年/日本語版1997年、集英社、2007年、集英社文庫。2007年映画化、邦題『イントゥ・ザ・ワイルド』)など、山や過酷な自然環境を舞台に自らの体験を織り交ぜた作品を発表していたが、2003年の『信仰が人を殺すとき』(日本語版2005年、河出書房新社、2014年、河出文庫)以降は、宗教や戦争など幅広いテーマを取り上げている。

菅野楽章[カンノトモアキ]
1988年東京生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。
訳書にブレット・イーストン・エリス『帝国のベッドルーム』(河出書房新社)がある。

内容説明

モンタナ州第2の都市、ミズーラ。この町のシンボルは、15,000人の学生が通い、800人以上の教員が勤めるモンタナ大学である。同大学のアメフトチーム「グリズリーズ」は、市民たちの誇りでもあった。だが、2010年から2012年にかけてグリズリーズの選手たちが引き起こした複数のレイプ事件が明るみに出ると、静かな大学町は騒然となる。被害者への誹謗中傷、理解を示さない警察、事件を起訴しない検察、加害者の特権意識、世間の偏見…なぜ加害者は町ぐるみで守られるのか。なぜ被害者たちが、捜査と裁判の過程でセカンドレイプに苦しまねばならないのか。詳細なインタビューと丹念な取材を通して、レイプスキャンダルの真相と司法制度の矛盾に斬り込む傑作ノンフィンション。

目次

第1部 アリソン
第2部 掟の門前に門番が立っている
第3部 望まない注目
第4部 正義の秤
第5部 陪審裁判
第6部 後遺症

著者等紹介

クラカワー,ジョン[クラカワー,ジョン] [Krakauer,Jon]
1954年生まれ。ジャーナリスト、作家、登山家。当事者のひとりとして96年のエベレスト大量遭難事件を描いた『空へ』(文藝春秋、ヤマケイ文庫)、映画化された『荒野へ』(集英社)など、山や過酷な自然環境を舞台に自らの体験を織り交ぜた作品を発表していたが、2003年『信仰が人を殺すとき』(河出書房新社)以降は、宗教や戦争など幅広いテーマを取り上げている

菅野楽章[カンノトモアキ]
1988年東京生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。訳書にブレット・イーストン・エリス『帝国のベッドルーム』(河出書房新社)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

140
この理不尽さは、他の方々の感想に委ねます。読んでる間に強く思ったのは、レイプとはどういう風に起こり得るのか、その結果として何をもたらすのかをきちんと教育すべきだと言うこと。好奇心や冒険心でこのくらいなら大丈夫だろうなんて思ってはいけない。もうダメだと思ったら、とりあえず声を出さなくてはいけない(男女ともに。どちらもレイプされる可能性はあるのだから) そして、特に男性は、少年の頃から、どの程度からレイプとなり、どのくらいの罪を負わねばならないかということを認識すべきだ。特に安易なAVを簡単に観れる時代には。2019/02/05

こーた

95
麗らかな休日に、女性をともなってぶらぶらと街を練り歩くことがある。散歩だ。男のわたしは目的地を決めると、そこへ向かって一直線に進んでいくが、連れの女性は、興味の赴くままに道草をし、なかなか先へ進もうとしない。わたしはイライラを募らせて問いかける。このままではいつまでたっても「そこ」へ到着しないではないか。彼女は答えて云う。べつにつかなくったっていいじゃない、と。非常にざんねんなことに、今の社会は主に男が建設したもので、物理的な力はもとより、権力や名声といった社会的な力も、男の側によっている。(1/3)2017/02/09

garth

32
これはすごい本だ。慶応から東大からスーパーフリーから、あるいは高畑裕太の件まで、最近騒がれたレイプ事件のあれこれすべてが、ここに描かれているのと同じ力学に貫かれているんだと言っていいだろう。言い換えれば、これはアメリカの一地方都市の話じゃなくて普遍的な話なのだ。レイプ事件に関して興味を持ったすべての人に必読と言いたい。どこかで書評書かせてくれないかなあ。2016/11/07

sasha

13
性的暴行事件の80%以上が見ず知らずの人間ではなく顔見知りによる犯行というのは衝撃的な数字だ。おなさ馴染みのふたりが被害者と加害者になった事件を中心に据え、アメリカ・モンタナ州ミズーラのモンタナ大学アメリカンフットボール・チームの選手が絡んだ複数の事件を扱っている為に話は少々入り組んでいる。ただ、共通するのは被害者側が背負わさせる苦しみの大きさだ。加害者を盲信する人たちや弁護士による誹謗中傷にムカムカする。ただでさえ胸糞悪い事件なのに。同じ事件が繰り返されないよう告発に踏み切った被害者の勇気に敬意を。2017/12/09

てくてく

12
アメリカのキャンパスレイプ事件が取り扱われている。訳者あとがきによれば、女子学生の20パーセント以上が在学中に性的暴行の被害に遭い、被害に会った学生は、PTSDに苦しみ、通学が困難になり、最悪の場合は自殺に至ることもあることから、国も対策に乗り出しているらしい。本書で取り上げられた事件は、加害者側がその行為を過小評価していたり、被害者攻撃を行っていたりしており、同様の事は日本でも起きているのだろう。ただ、被害者を信じるところから始まる司法制度に変えようとしている点が救いだった。2017/01/19

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