出版社内容情報
20 歳まで軍艦島で過ごした、「NPO軍艦島を世界遺産にする会」理事が元島民と自信の思いをこめて綴る、日本の「過去」と「未来」への手紙。見開き完結で読む85枚の「写真」と貴重な記憶の「物語」
内容説明
生きた証、生きてゆく記憶。一枚の写真が雄弁に語る島のくらし、日本の未来。
著者等紹介
坂本道徳[サカモトドウトク]
1954年福岡県筑豊に生まれる。小学6年生のとき炭鉱に勤務する父の仕事の関係で端島に移住。長崎県立高島高校を卒業後、長崎大学商業短期大学部に入学、翌年同大中退。20歳で上京し、コンピューター関係の会社に勤務。82年長崎市に戻りパソコン教室などを経営。99年に25年ぶりの同窓会で端島へ渡航した際、風化する島の現状に衝撃を受け、その保存を考えるようになる。2003年にNPO法人「軍艦島を世界遺産にする会」を設立。現在、軍艦島ガイドとしての活動を続けながら、軍艦島講座の講師や各種執筆、講演などで精力的に活躍中
高木弘太郎[タカギコウタロウ]
1937年長崎県南島原市に生まれる。61年、和歌山製鉄所(現・新日鐵住金)に勤務。40歳頃より本格的に撮影に取り組み、以来35年にわたりモノクロ写真にこだわる独自の撮影スタイルを堅持(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
37
著者はかつてこの島に住んでいた。軍艦島、ぼんやりと廃墟の島であるというイメージしか持っていなかった自分。この本をめくり始めて分かってきたことはたとえ人が住んでいなくてもまだ生活感がたくさん残されていること、そしてこの島は、日々、風や雨、時間に喰われて続けていること。そこに生活していた人々には、いつまでも想い出として残ることだろう。ゆっくりと骸骨になっていく島が、落ち着いたモノクロの写真と共に紹介されている。お薦めの本。2014/08/22
だーぼう
24
バーチャルでも実際に歩いても、もう感じることができないリアルタイムでの皮膚感覚。その一端を体験。ブログに感想を書きました。2018/07/31
みや
14
元島民が端島の思い出を写真と共に綴る。部外者の私には「かっこいい廃墟」、元住民の方には「崩れていく故郷」。日常だった故郷が非日常の廃墟になる気持ちを今まで考えたことが無かった。もし私の地元が…と想像するだけで喪失感に潰されそう。モノクロ写真はどれも物寂しく神秘的だが、文章を読むにつれて色彩を帯びていく不思議な感覚を得て、タイムスリップしたような気分になった。ヘルメット、賞状、三輪車、仏壇、家電など多くの物がそのまま残されている中、子供の字で壁に書かれた「金魚とことりをおねがいします」の言葉が特に切ない。2024/04/14
hamao625
12
軍艦島は最初から廃墟ではなかった。知ったことに、大正5年に作られた日本最古の鉄筋アパート。心に残ったことに、襖の向こうの寝顔に逢いたい一心で、毎日、働いた。地の底でいのちをかけて。島全体が家族だった。生活があった。2014/09/15
はなちゃん
11
実際に軍艦島で生活していた方の本を読んでみたいと思い手に取りました。坂本さん、なかなかのポエマーです。暮らしていた人たちにとってはそのくらいノスタルジックになってしまう場所なのでしょう。2015/11/17
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