出版社内容情報
スイスの林業を支える教育システム。それは中学卒業後、森林作業員となり、同時に職業教育学校を選択する。〈働く+学ぶ〉を繰り返し「森のひと」=フォレスターになるための教育システムから、日本は何を学ぶことができるのか。
内容説明
森林作業員からフォレスターへ、プロの人材育成が林業を再生させている。働きながら学ぶ、その先端の方法とは?
目次
序章 スイスの「森のひと」の育て方は何が秀逸なのか?
1章 フォレスターという仕事
2章 「森のひと」になるための教育システム
3章 スイスという国の底力を知る
4章 すべての土台に教育がある―職業教育の充実がもたらすもの
5章 教えられた経験がない―だから教えられない
6章 ロルフの教室
7章 フォレスターの卵に学ぶ
8章 「森のひと」が育つ環境とは?
終章 次の世代のために
著者等紹介
浜田久美子[ハマダクミコ]
1961年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、横浜国立大学大学院中退。精神科カウンセラーを経て、木の力に触れたことにより森林をテーマにした著述業に転身。森とひとの関わりを取材している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜郎自大
7
森林本。小難しい話ではなく、森の人をスイスの事例と本人たちの仕事ぶりから感じとれるような流れになっていて読みやすいし、ためになる。2022/02/19
Gin
3
感動した。そして強烈に羨ましいと思った。スイスのような教育が受けられたら、日本はもっと幸せな国になると思う。世の中には色々と問題があるが、元を正せばやはり教育に大体の原因があるように思う。教育の元となるのはその国の歴史や文化だったりするだろうから、簡単には変えられないけど、、それでも、スイス式の教育からは学べる点が多い。日本にはもうかつてのような余裕はないだろうから、本当に人を、教育を、もっと大事にしないと。林業に関係なく、職業教育システムの大切さがよく分かるので、この本は本当にオススメ。2016/05/20
soto
3
長年、学校教育を受けてきてもやもやしていたことへの答えが、少し示されていたような気がした。学校の授業で扱われることがらは、知的お遊びとしてはよいのかもだけど、あまりに生活との関わりが希薄で、それ以外に教えるべきことがいっぱいあるのでは?とずっと思っていた。 でもそれが具体的に何なのかがずっとわからずにもどかしくて、結局長い時間を学校で過ごしてしまったのだった。いまもその延長線上にいるように思う。現場には手が届かなくて、実感のないまま上滑りの生活を続けている。 スイスの例から、そんな現状が逆に見えてしまった2015/09/27
たんたんx
2
予想以上におもしろかった。以前読んだ「日本林業はよみがえる」はドイツを参考にしていたと思うが、いずれにしても表面だけ真似て制度を作り、あとはほったらかしというのはもういい加減やめてほしい。どこか1か所に予算を集中的に投入してモデルケースをつくり、指導者を育成することから始めるしかないと思う。日本には長期的な計画が必要です。2015/10/03
かっちゃん
1
フォレスターという職業を知るのと、教育システムの在るべき姿ってなんなんだろうということを考えるのにいい本だと思った。難点としては、スイスの例とか筆者の出合った数人の例しか出てないから全体像がつかみにくいっていうことかと。2015/01/21