出版社内容情報
フィンランドは子どもに実力(コンピテンス)を付ける教育に転換した。宿題も点数競争もない。それなのに、学力世界一であり、国力世界一である。かたやペーパーテストの教育から抜け出せない日本。いま求められている教育とは。
内容説明
大学(学部)入学者の4分の1が成人(25歳以上)、高校進学はほぼ半数(男子)が職業高校を選択。フィンランドは子どもに「実力」を付ける教育に転換した。宿題もなければ、点数競争もない。それなのに、学力世界一であり、ランキング総合1位の国である。片や日本は、ペーパーテストで競争させる教育から抜け出せないでいる。いま真に求められているは教育とは何かを提示する画期的な書。
目次
序章 コンピテンス・ベースの教育が求められている
第1章 グローバル競争のなかの教育制度
第2章 小学校から、もの作りの授業
第3章 中学校のもの作り
第4章 専門学校の取り組み
第5章 専門学校OMNIAの取り組み
第6章 専門職大学(AMK)
第7章 普通科高校から総合大学へ
第8章 フィンランドの職業教育の歴史と展望
著者等紹介
福田誠治[フクタセイジ]
1950年、岐阜県生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。現在、都留文科大学副学長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
琴音
17
教育を受けてきた側として考えて、失ってしまったであろう学力を思って怖くなった。本人の意志、やる気が勉強に欠かせないということは勿論だと思うし、環境のせいでこんなだから、なんて言うつもりもないけれど、でもやっぱり国レベルで先人である大人が子どものために教育を整えるっていうのはものすごく価値があるものだと感じた。「日本の最大の欠陥は、子どもたちを生産者に育てるのではなく、消費者に育ててしまうことだ」という一文が何より印象的だった。勉強は何のためにしているのか、テストのため、が答えになってしまっていないか。2012/12/09
まみか(再登録)
14
日本の教育の最大の欠陥は、子どもたちを生産者に育てるのではなく、消費者に育ててしまうこと。まさに!まさに!京都市にはスチューデントなんとかっていう施設がありまして、小五から毎年学びに行くんだけれど…なんかもう、みんな浪費家にさせるだけのような施設で。(キッザニアのような施設)ゾッとしながら読了。(乱文失礼いたしました)2018/03/01
かやん
11
日本の教育の最大の欠陥は、子どもたちを生産者に育てるのではなく、消費者に育ててしまうこと。テストや入試のための勉強こそが、日本の子どもや若者たちが人生に向けて自立をすることを妨げているのではないか。うなずけるなぁ~。教育と職業が直結していて多岐にわたって学べるシステムが素晴らしいと思った。これが当たり前なんて羨ましい。2015/09/16
りょうみや
10
大学まで他人と比較されるテストや入試がないところと、職業の多くが資格制となっており大学以外の専門学校教育が非常に充実しているところが特徴的。教育費用は基本無料。社会に出てからの再勉強、生涯学習も盛ん。フィンランドと比較すると高校まで向き不向きに書かわらず皆ほぼ同じ内容を学び、学校以外にも塾に通い、大学に入っても役に立たないと思い勉強しない学生の多い日本はなんとも無駄の多い社会構造になっていると思える。この本だけではけっこう分からないことが多いため、著者の他のフィンランド本を読まなくてはいけないのだろうか。2016/10/16
m
10
国がしなくても必要に駆られて生涯学習になっている人は多いと思う。あと、自分も含めて、自分の周りで、自己解決能力の低い人が自暴自棄になっている状況をよく見かける。通りすがりの知人が寄り添ったりつきっきりで介助している暇は無く、結局置き去りになっちゃう。ほんと競争社会のきつさを緩和する方向に変わってほしいなぁと切に願う。2012/10/26