出版社内容情報
一章 アタシが慰問をはじめた理由
二章 “くりこみ”の大行進ではじまる慰問の朝
三章 “獄中落語”の真打登場! 個性派慰問部隊の面々
四章 かくも厳しく楽しい!? ムショの世界
五章 慰問部隊の爆笑座談会「受刑者にバカと言われた落語家」
六章 少年院の子どもたち
内容説明
「後がつかえてんだから早くおつとめすませてよ」と励まし(笑かし)続けて25年。その笑劇の一部始終を初公開。
目次
1章 アタシが慰問をはじめた理由
2章 “くりこみ”の大行進ではじまる慰問の朝
3章 “獄中落語”の真打登場!個性派慰問部隊の面々
4章 かくも厳しく楽しい!?ムショの世界
5章 慰問部隊の爆笑座談会「受刑者にバカと言われた落語家」
6章 少年院の子どもたち
著者等紹介
桂才賀[カツラサイガ]
1950年7月12日生まれ。東京都大田区出身。落語協会所属。本名は谷富夫。1972年、桂文治に入門、桂文太を名乗る。1980年、師匠文治死去に伴い、三代目古今亭志ん朝門下に移籍、古今亭朝次と名乗り、二つ目で笑点メンバーとなる。1985年、真打に昇進、七代目桂才賀を襲名。1988年、国立劇場金賞受賞、同年、久里浜少年院篤志面接委員に。現在も全国各地の少年院、刑務所、拘置所の慰問活動を続け、教育施設、企業、ボランティア団体など、様々な場所で講演を行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
15
今まで犯罪者更生に関する本を何冊か読んだが、ピンと来なかった。だが、本書はすべて腑に落ちる。なぜなら、これほど刑務所慰問を行った芸人はいないから。著者は、慰問を「道楽」と言い切る。受刑者を喜ばすために、工夫に工夫を重ね、自らの喜びとしている。共に楽しむことが、共に認め合うことが真理と分かる。著者の死が惜しい。本年2月没。享年74。2025/03/27
キヌモ
4
落語を語るような文章で、やはり笑わせて泣かせる話でもある。刑務所や少年院などで(それも無償で)落語などを演じていると、現在の社会の歪みが見えてくるんだろうと思う。家庭環境に問題があることがほとんどという話。本人の代わりに親をここに入れて更生させたいという話。勉強になりました。2021/02/24
new tomo
2
少年院から出てきた子を雇う事になり、その子の事を少しでも知りたくて数年前に読んでみた本。大人の話もあるが、私には少年刑務所の人たちの話が印象に残っている。誰か一人でも自分を信じて気に掛けてくれる大人が居れば、違う道を行けたのに。逆を言えば、誰か解ってくれる人が側に居れば立ち直れる事も多くの場合ある。そう格好良くは行かないだろうが、気に掛ける大人でありたいと思う。
あさひ.a
2
手弁当で全国の刑務所・少年院の慰問を続けて25年、桂才賀師匠の語るような文章が面白い。ウケるようになるまでの工夫、スベリ知らずになるまでの試行錯誤が楽しい。笑いの中に刑務所を取り巻く情勢も綴られていて、面白いだけではなく考えさせられる良作。2017/11/13
ory112
2
良書!刑務所の実際は興味深く読めたし、囚人・刑務官どちらにもフェアに配慮する姿勢に感動した。また、語り調の文体は却って読みにくい場合もあるけれど、この本は、テンポがよくて実に読みやすかった。脚注もコミカルで面白い。2015/07/30