内容説明
病床にある山奥の原告を訪ね、記憶の糸をたぐって事実を掘り起こす。勉強会を重ね、新しい法解釈を見つけだす。東京へ何度も足を運び、被告企業に解決を迫る。数度にわたり全国キャラバンを組織し、世論に訴える―不可能を可能に変えた7カ年に及ぶ闘争の貴重な記録。
目次
第1章 不治の病・じん肺―最大・最古の職業病(生あるうちに、光を―森下邦雄(原告団長)意見陳述書
いまだ治療法のないじん肺―樋端規邦(元徳島健生病院長)講演
じん肺の背景に存在する社会構造―久繁哲徳(医師)口頭弁論 ほか)
第2章 じん肺原告団の手記―坑夫の現場とじん肺の苦しみ(坑夫生活二〇年の果てに―大上栄(原告)手記
国の発展は私たちが支えてきた―竹本稔(原告)手記
叶わなかった、生きているうちの解決―上田政夫(原告)への臨床尋問記録から ほか)
第3章 “なすべきこと”はすべてなした裁判闘争―和解を勝ち取るまでの七年(もう待てない―じん肺訴訟の提起にあたっての声明;全国的な取り組みが裁判を後押し;個性派ぞろいの弁護団―六人の弁護士と組合運動家 ほか)