内容説明
中国で生まれ育った著者は、恩返しに日本語教師として“故郷”の専門学校へ。しかし、瞳がキラキラした、奉仕の精神一杯の中国人は姿を消し、拝金亡者ばかり。ついにおばあちゃん先生の怒りが爆発する!教科書はほかの学校の払い下げ。名ばかりの図書室にあるものは、大衆娯楽小説。立って食べる生徒食堂。風呂もトイレもろくに使えない。会話のできない卒業生が新米先生に雇われる。卒業証書は有料…こんな学校で“おばあちゃん先生”の誠実は通じるか。
目次
1 下見のはずが本決まりになること
2 希望と戸惑いを抱えて赴任すること
3 私物の学校であるということ
4 山東省の姉妹校へ手助けに行くこと
5 泥棒に入られ何もかも盗まれること
6 いい加減な学校で熱中先生であること
7 魔法瓶二本の湯で身体を洗うこと
8 持参の工具で電話を引くこと
9 ことごとく郵便が開封されてしまうこと
10 楽しみながら会話レッスンをさせること
11 学校と家庭に独裁者がいるということ
12 とうとう怒りが頂点に達すること
13 離別の日が突然にやってくること