内容説明
グローバル教育市場における「日本型教育」の可能性と課題に迫る!教育実践や政策が国境を越えて参照され、各国が自らの教育を「モデル」として海外に向けて喧伝・輸出する時代が到来した。こうした行為が必然的に生み出す政治や倫理の課題にわれわれはどう向き合うべきだろうか。本書は、綿密な聞き取り調査と政策文書の分析をもとに、官民連携による「日本型教育の海外展開事業(EDU‐Port)」の形成・実施過程を明らかにすることで、これらの問いに接近する。日本からグローバル教育政策研究の新たな地平を切り拓く待望の一冊。
目次
第1部 分析枠組みの設定―グローバルとナショナルの交差点へ(国家教育輸出の台頭と本書の研究アプローチ;EDU‐Portの先行研究レビューと本書の理論的立ち位置 ほか)
第2部 政策的仕組みの検討―行政文書分析を中心に(EDU‐Port成果目標とパイロット事業の仕組みの検証;EDU‐Portパイロット事業の類型化と傾向分析)
第3部 倫理性を「掘り起こす」―パイロット事業のケーススタディ(ケーススタディの方針;ケーススタディ類型a―大学等による初等中等教育段階の教職開発支援事業 ほか)
第4部 世界の教育輸出事例―国際比較からみえるEDU‐Portの特徴(フィンランドの教育輸出戦略―モデル化・ブランド化・商品化;シンガポールの教育輸出戦略―国際化を目指す高性能教育システム)
第5部 「日本型」国際教育協力に向けて(教育輸出の政治と倫理―「EDU‐Portニッポン」からのレッスン)
著者等紹介
高山敬太[タカヤマケイタ]
南オーストラリア大学教育学部(UniSA Education Futures,the University of South Australia)教授。専門分野:比較・国際教育学、教育社会学
興津妙子[オキツタエコ]
大妻女子大学文学部教授。専門分野:比較教育学、国際開発学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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