NHKブックス<br> 戦前日本の「聖地」ツーリズム―キリスト・日蓮・皇室

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戦前日本の「聖地」ツーリズム―キリスト・日蓮・皇室

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  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140912942
  • NDC分類 161.3
  • Cコード C1321

出版社内容情報

「橿原に行かざれば人にあらず」(『橿原神宮と建国奉仕隊』1940年)

〈正しさ〉をふりかざして他者を抑圧する「ふつうの人びと」が生まれるまで――無邪気な日常語の背景に「排除」の歴史を見通す!
いま「聖地」の巡礼とは宗教や漫画・アニメにかかわる「ご当地めぐり」を指し、個人の嗜好にもとづいた自由な行為だが、昭和戦前期は違った。同調しない人を非難し排除する、強い圧力を伴ったのである。
本書は、はじめは教養主義エリートの西洋への憧れから生まれ、一般大衆へと広がった「聖地」めぐりのブームが、いかに発展し、社会の中の同調圧力を生み出すに至ったかを解明する試みである。
この過程に、「全国的鉄道網の整備によるツーリズムの大衆化」が強く作用したことは、これまで看過されてきたのではないか――? 実力派の歴史家が描き出す、瞠目の日本〈感情〉近代史!

序 章 聖地の日本化
第一章 「日蓮と基督」 ――高山樗牛と田中智学の日蓮像
第二章 教養主義と日蓮ツーリズム――身延山、富士身延鉄道、高山樗牛
第三章 天皇崇敬の〈宗教〉化 ――大逆事件と天皇の代替わり
第四章 明治神宮と渋沢栄一 ――意図せざる「聖地」の創出
第五章 〈体験〉と〈気分〉の共同体――大正期以降の伊勢神宮・明治神宮参拝ツーリズム
第六章 日蓮の「聖地」と明治神宮 ――田中智学による「聖地」の規範化
第七章 「聖地」のセット化(Ⅰ) ――橿原神宮と「三大神宮」
第八章 「聖地」のセット化(Ⅱ) ――田中智学の「五大聖地」巡拝 
第九章 「聖地」のセット化(Ⅲ) ――大軌グループと「三聖地」
第十章 総力戦体制と「聖地」ツーリズム ――「自粛」下のツーリズムを正当化する論理
終 章 キリスト発、日蓮経由、皇室行き

内容説明

無邪気な日常語に「排除」の歴史を見通す。いま「聖地」の巡礼とは宗教や漫画の「ご当地めぐり」を指し、個人の嗜好にもとづいた自由な行為だが、昭和戦前期は違った。同調しない人を非難し排除する、強い圧力を伴ったのである。本書は、はじめは教養主義エリートの西洋への憧れから生まれ、一般大衆へと広がった「聖地」めぐりのブームが、いかに発展し、社会の中の同調圧力を生み出すに至ったかを解明する試みである。この過程に、「全国的鉄道網の整備によるツーリズムの大衆化」が強く作用したことは、これまで看過されてきたのではないか―実力派の歴史家が描き出す、瞠目の日本〈感情〉近代史!

目次

「聖地」の日本化
「日蓮と基督」―高山樗牛と田中智学の日蓮像
教養主義と日蓮ツーリズム―身延山、富士身延鉄道、高山樗牛
天皇崇敬の〈宗教〉化―大逆事件と天皇の代替わり
明治神宮と渋沢栄一―意図せざる「聖地」の創出
〈体験〉と〈気分〉の共同体―大正期以降の伊勢神宮・明治神宮参拝ツーリズム
日蓮の「聖地」と明治神宮―田中智学による「聖地」の規範化
「聖地」のセット化(1)―橿原神宮と「三大神宮」
「聖地」のセット化(2)―田中智学の「五大聖地」巡拝
「聖地」のセット化(3)―大軌グループと「三聖地」
総力戦体制と「聖地」ツーリズム―「自粛」下のツーリズムを正当化する論理
キリスト発、日蓮経由、皇室ゆき

著者等紹介

平山昇[ヒラヤマノボル]
1977年、長崎県生まれ。東京大学教養学部卒業、同大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。駿台予備学校講師、立教大学兼任講師、九州産業大学准教授などを経て、神奈川大学国際日本学部准教授。専門は日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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パトラッシュ

112
聖地巡礼とはキリスト教巡礼者に関する本で初めて知った。それが映画やアニメの舞台となった地を巡る話に転用されたと思っていたら、大正から昭和にかけて日蓮や明治天皇絡みのツーリズム用語とされていたとは。宗教か否かを問わず信仰対象のゆかりの場所を実際に歩くのは、教化を深める上で大きな力になると見抜いた田中智学の眼力は確かだが、ツーリズムの大衆化と皇室崇拝強化の国策が絡んで全国的なものとなった。それに参拝客欲しさの神社と鉄道会社の思惑が重なり一気に広がった経緯は、江戸の伊勢神宮参拝の流行から何も進化していなかった。2025/07/17

とり

6
かつての日本では「聖地」といえばエルサレムを想起し、キリスト教のイメージが強かった。しかし、明治に鉄道が開通し、鉄道会社が乗客率アップのために著名な神社への参拝に着目したこと、神社では参拝客の増加を望んでいたことから、著名な神社を「聖地」と呼んで聖地巡礼キャンペーンを行うようになってきた。鉄道を利用することで、複数箇所の神社を一日で参拝できるようになるといったことも売り文句として使われ、聖地といえばキリスト教というイメージが徐々に薄れていった。2025/08/06

onepei

2
「キリスト教のニオイ」というのは言いえて妙だと思う2025/07/13

とんちゃん

1
あ、これって政治と宗教を結びつけて考える人々のマルクス主義嫌いの種じゃん2025/08/06

siomin

1
実際は「聖地」の言葉は戦前日本にどのように誕生してどのように発展してきたのかをまとめた一冊。とくに橿原神宮をいかに多くの人を参詣するのかに腐心していたようで,その時に一役買ったのが今の近鉄。路線網を充実させたことで伊勢神宮からの周遊が可能になったよう。伊勢神宮や橿原神宮の参詣を推し進めたいために国鉄の運賃を安くしろとしたり禁止されていたい参詣の写真撮影を許可しろとしたり,聖地の参詣のために無茶を通そうという姿勢はいかがなものなのか。2025/07/25

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