内容説明
ディオゲネス/ニーチェ/マルクス/魯迅…現代韓国社会の問題を現場から見つめる哲学者が世間の「正しさ」と「当たり前」の裏側にある欺瞞と差別意識をとき明かし、希望と絶望の間で生き抜くヒントを与える革新的思索。
目次
第1部 希望なき人文学(ノドゥル障害者夜学の哲学教師;言語の限界、とりわけ「正しい言葉」の限界について;「考えの多い二番目の姉さん」と哲学の成熟;声と責任;思考する人間と苦痛をうける人間)
第2部 犬が吠えない夜(見る目と見える目;果敢に海外旅行に行った生活保護受給者のために ほか)
第3部 空席を耕すこと(記憶とは空席を用意して見まもること;「わたしたちが暮らす地はどこですか」)
第4部 この運命と踊ることができるか(不可能な象;障害者、スーパーマン、超人 ほか)
著者等紹介
影本剛[カゲモトツヨシ]
朝鮮文学専攻。大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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門哉 彗遙
4
コ・ビョングォン氏のノドゥル障害者夜学の通信や京郷新聞のコラムが一冊の本になったもの。ただ「黙々」というタイトルだけに惹かれて読み始めたもので、事前知識はまったくなかったが、韓国における障害者運動や、その基盤となる哲学のことなどが書かれていて興味深く読めた。次に読むのはニーチェかなと思ったりした。2025/01/03
読書熊
3
韓国社会も日本社会に似た閉塞感を持っている2024/03/27
uehara
1
時評集。主権者としての生を説いたディオゲネスの皇帝批判(誰でも享受しもつことができるのに皇帝が遮り与えられない、あるいは皇帝に期待も失望もしてもしょうもない「日差し」に関する有名な話)をマルクスや障害者運動と接続したところ、あるいは「正しい言葉」の支配に対するユーモアの力など印象的。ディオゲネスは日本の野宿者運動の人も読み解いていた。 著者のニーチェ研究とか読みたい。2025/08/11
takao
0
ふむ2025/04/20