内容説明
フェミニズムは長らくジェンダー正義を追求してきたが、そこにはしばしば対立も伴った。私たち一人ひとりは、この歴史にいかなる「使い道」を見出すべきか。普遍的な定義に依拠しないフェミニズムズの探求へと誘う、グローバル・ヒストリーの新たな挑戦。
目次
第1章 夢
第2章 アイディア―考え・概念・思想
第3章 空間
第4章 物
第5章 ルック―装い・外見
第6章 感情
第7章 行動
第8章 歌
おわりに―グローバル・フェミニズムズ
著者等紹介
デラップ,ルーシー[デラップ,ルーシー] [Delap,Lucy]
ケンブリッジ大学教授。マレー・エドワーズ・カレッジ特別研究員。専門はイギリス近現代史で、ジェンダー史、フェミニズム史、労働史の研究に従事。著書に女性史ネットワーク賞を受賞したThe Feminist Avant‐Garde(Cambridge University Press,2007)、Knowing Their Place:Domestic Service in Twentieth Century Britain(Oxford University Press,2011)などがある。2018年、イギリス王立歴史協会パブリック・ヒストリー賞を受賞
幾島幸子[イクシマサチコ]
早稲田大学政経学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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katoyann
17
ジェンダー史の専門家によるフェミニズムの歴史学。インターセクショナリティの観点に立ち、フェミニズムの多様性を示すという意図があって複数形の表題となったらしい。青踏フェミニズムやムスリムのフェミニズムについても言及があり、その膨大な研究量に驚く。また、労働者の階級闘争がフェミニズムにもたらした功績について言及しつつ、トランスジェンダーの権利についてまで言及するのだから、その博識ぶりに圧倒される。手軽に読める本ではないが、フェミニズムに問題関心のある人ならば、ぜひ読んでみると良いだろう。2024/11/15