内容説明
「問題」に目を向けるのではなく、「強み」を引き出す。「垂直」ではなく、「水平で対等」な関係性をつくる。外国につながる若者と、共に支え合い、変容し合い、エンパワーし合った高校・NPO・大学の協働アクションはどのような多文化共生社会をつくることができるのか!
目次
第1部 学校編(部活動と授業による居場所づくりと多文化共生の取り組み(多文化共生社会をつくる定時制高校での部活動の実践―外国につながる生徒たちとの居場所づくり;高校・NPO・市民の三者が協働したシティズンシップ教育―対話と参加を通した多文化共生の授業実践の試み;座談会―当事者が考える「移民」という呼び方))
第2部 学校外編(インターンシップとアクションリサーチによるエンパワメント(外国ルーツの若者を育てるインターンシップ・プログラム;コロナ禍を生きる外国につながる若者とのアクションリサーチ―YPARの試み))
第3部(実践からアドボカシーへ(定時制高校での外国ルーツの生徒支援から政策提言へ;学校をアップデートする―若者と共に考える教育の未来))
著者等紹介
徳永智子[トクナガトモコ]
筑波大学人間系教育学域准教授。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学、米国メリーランド大学大学院教育学研究科博士課程修了、Ph.D.(教育学)。慶應義塾大学、群馬県立女子大学を経て、現職。専門は教育社会学、教育人類学、異文化間教育。文部科学省中央教育審議会臨時委員(教育振興基本計画部会、2022~2023年)。日本とアメリカで移民の若者の居場所づくりやエンパワメントに関する参加型アクションリサーチに取り組む。複数の文化や言語のはざまを生きる子ども・若者の強みが発揮される教育と社会の在り方について研究している。主著にLearning to Belong in the World:An Ethnography of Asian American Girls(Springer、2018年)(第8回日本教育社会学会奨励賞【著書の部】受賞
角田仁[ツノダヒトシ]
東京都立町田高等学校教員。主に東京都立高等学校の定時制課程において、外国につながる生徒に関わる多文化共生の教育に取り組んできた。前職では、多言語交流部(ONE WORLD)の顧問として、学校外のNPO(認定NPO法人カタリバ/一般社団法人kuriya)および大学(留学生、学生)との三者協働による居場所づくりに取り組んだ。その他、多文化共生教育研究会運営委員、日本語を母語としない親子のための多言語高校進学ガイダンス実行委員会東京、外国につながる高校生のための進路ガイダンス実行委員会、多文化共生教育ネットワーク東京他に参加している。文部科学省の外国人児童生徒等教育アドバイザー、高等学校における日本語指導の在り方に関する検討会議委員を務める
海老原周子[エビハラシュウコ]
一般社団法人kuriya代表理事、認定NPO法人カタリバ・パートナー。ペルー、イギリス、日本で育つ。慶應義塾大学卒業後、(独)国際交流基金・IOM国際移住機関にて勤務。2009年より、外国ルーツの高校生や若者を対象にキャリア教育や多文化交流ワークショップなどを行い、500人以上の子ども・若者と接してきた。近年は国への政策提言や環境整備に取り組む。これまでの経験から日本の未来を担うグローバルリーダーとして、EU主催「Global Cultural Leadership Programme」(2016年)等、数々の国際プログラムに日本代表として選抜。自身が立ち上げた一般社団法人kuriyaで代表理事を務めるほか、文部科学省の外国人児童生徒等教育アドバイザー、東京都教育委員会スーパーバイザーも務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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