目次
第1章 身体がはじまる
第2章 身体は通過する
第3章 思春期はまだない
第4章 性同一性を持たない
第5章 あり得たかもしれない
第6章 好きは嫌いです
第7章 時間は絶たれる
第8章 復讐する
第9章 愛してる?
第10章 関係は変わる
第11章 場を分散させる
著者等紹介
五月あかり[サツキアカリ]
都内のOL。いつの間にか生活が男性から女性になった人。性同一性は「無」
周司あきら[シュウジアキラ]
主夫、作家。生活が女性から男性になった人。性同一性はないが、性別を聞かれたら「男性」でいい(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bevel
6
正直最初の方は、お互い似てるといいながら言ってることは全然違っていて、どんな感じで話深まるんだろうなと思ってたけど、進むにつれてそっかとなった。理由というか予感がないと話す必要ないなって。「性別移行が、ただの性別の問題なはずがありません」。性別移行が二回ある話、性別移行すると「馬鹿になる」話、性同一性のないシスジェンダーと性同一性をもつノンバイナリーの話、二つの問いから身を守るために三つの世界に共存する話、世界への復讐、セクシャリティとジェンダーの密接な関係。セックスが社会的に構築されることの射程など。 2023/05/10
knuuyy
5
この本、すき!かえるのてがみみたいな話かなーとぬくぬくしながら読んでたら急激に雲行きあやしくなる!「性」周辺のルールが意味わかんなすぎる社会で、やっと知ってる言葉が聞けた安堵感に一息つく…かに見せかけてこの社会を転覆させてしまいそうな恐ろしい切れ味をもつ物語。「好き」は嫌いです、あたりからの展開は心をかきみだされる…。他の人どんなふうにこれ読んでるんだろ。気になるけど知りたくない…!読んでからあらためて表紙を見ると、脳内ミニシアターで予告編みたいになって動画で流れてくる。デザイン良い💛2023/06/19
しきか
3
2人の間の文通なのでこんなことを言うのはおかしいかもしれないが、読んでいて気恥ずかしかった。あかりさんの文章は表現が重ねられていたり、比喩が使われていたりして、なんだか演劇のセリフみたいだった。トランスの実際を知ることはできそうだけれど読み進めていくのがきつい。2023/09/04
ナオミ
3
自分は無知すぎてだいぶ手遅れで、本が無かったらどうしようもねえなとまた思い知らされた。読まなかったらわたしは他者に対して愚かな失敗をするところだったかもしれない。昔から初対面でシスヘテロを前提とした恋バナコミュニケーションが嫌いだし男女間に友情は成り立つのか?とか愚問すぎて唾棄すべき問いだと思っている。性別なんてくだらない。しかし「自分は何者なのか」を、ここまで深く分析しようと思ったことがない。ふたりの関係性が羨ましくも、やや共依存手前のような危うい親密さを感じた。それもきっと勝手な勘違いかもしれないが。2023/08/20
Erika
2
トランスジェンダーであるだけでなく、アセクシャル、ポリアモリー、ノンバイナリーなどの当事者である彼等が世間に感じたズレやシスジェンダー中心の社会でどう生きてきたかが語られていた。特にポリアモリーについての記述が印象深かった。世間が主張するのは「パン派の人は一生パン以外は食べるな」と言ってる事と同じで、米を食べたら浮気者と糾弾される。人が抱く「好き」はそれぞれ種類が違くてもラベルを貼られた箱に一緒に入れて統一される。好きな人やものが増える分幸せも増えるはずなのに、それは悪と見なされるのは何故か。2024/10/15
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- 和書
- 眠りなき狙撃者 河出文庫