内容説明
ひろがる格差、政治への不満、ジェンダー間の不平等、雇用不安。絶望感と諦めが充満するなかで、それでも「公正な社会」を実現することは可能か。政治・経済・社会・法の諸側面を融合し、討議を重ねてきたプロジェクトチームが、不公正な社会状況を打ち破る新たな秩序を提言する。
目次
第1部 公正をめぐる理論と思想(公正にできることはまだあるか―絶望と分断に抵抗する;公正社会論の思想的展開―ロールズの正議論からコミュニタリアニズムまで;多次元的な統合的公正社会理論―協力的公共システムにおける規範的4基準;「社会的不正」をめぐる意識の変容―不公平感の計量社会学)
第2部 「不公正社会」の現状分析(「不公正社会」への逆襲なのか―ポピュリズムの政治社会的文脈;社会的包摂の現在―雇用の不安定化と若者の就労;家族における平等と包摂―家族と公正)
第3部 グローバル公正社会の構想(メコン川流域の開発と市民社会―ラクチェンコーンの活動に注目して;深刻化する環境問題と食料安全保障―環境的公正と行動経済学的アプローチ;グローバルな社会サービス供給の模索―イングランドの成人社会的ケアを事例として;地域統合と社会的公正の新時代―主権国家の特質とAPECの可能性;条約の脱退条項の機能―その発動は公正な国際制度の否定か?)
著者等紹介
水島治郎[ミズシマジロウ]
千葉大学大学院社会科学研究院教授。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)
米村千代[ヨネムラチヨ]
千葉大学大学院人文科学研究院教授。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)
小林正弥[コバヤシマサヤ]
千葉大学大学院社会科学研究院教授。東京大学法学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 和書
- 人間存在の根本問題