内容説明
日本語教育を取り巻く環境が国内外で多言語化している。「リンガフランカ(共通言語)としての日本語」という概念を導入し、非母語話者と母語話者がともに日本語を話し学ぶことが日本語の多様化、そして多文化共生にどう結びつくのかを考察する。
目次
はじめに リンガフランカとしての日本語―多言語世界において変遷する日本語教育
第1章 多言語世界における自己・他者・世界の理解―日本語を通しての学び
第2章 オーストラリアのバイリンガル教育の現場における教師間協働への一考察―日本語と教科担当の各教師の役割と内省に注目して
第3章 ジャンルアプローチを活かした継承日本語教育の試み―香港日本人補習授業校での授業実践
第4章 日本におけるムスリムコミュニティの形成と日本語能力―茨木マスジドの事例から
第5章 協働学習と異文化コミュニケーション―「内なる国際化」が進む日本で高等教育機関は何を求められているか
第6章 日本語が国際言語になることの影響―第二言語またはリンガフランカとして
第7章 言語使用者を母語話者の規範から解放する言語教育―国際英語と国際日本語
第8章 「リンガフランカとしての日本語」の過去と未来―中国・上海での日本語教育・使用を例にして
おわりに ポストパンデミック時代のオンライン授業と言語教育―デジタルディバイドと視線の不一致がもたらす課題
著者等紹介
青山玲二郎[アオヤマレイジロウ]
香港理工大学助理教授(研究)。博士(文学)。専門は文化人類学、応用言語学、言語教育
明石智子[アカシトモコ]
岡山大学教育学部卒業。日本の公立高等学校で教諭として勤務したのち、香港理工大学英語学部(英語教育)にて修士課程修了、その後、同大学同学部にて博士課程修了。博士(応用言語学)。現在は香港理工大学で非常勤講師を務めるかたわら香港日本人補習授業校で教務主任としても勤務。専門は、選択機能言語学、教育言語学、継承語教育
李楚成[リソセイ]
香港理工大学中国語・バイリンガル学部学部長、教授
梁安玉[リョウアンギョク]
香港日本語教育研究会会長。2000年に香港日本語教育研究会副会長に就任し、2009年会長就任。1985年に香港大学に新たに日本研究学科が設立された際には、日本語および日本文化教師として学生指導。中華人民共和国(香港)における日本語教育の発展に寄与した功績が認められ、2019年旭日小綬章を受章した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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