目次
序論 研究の目的
第1章 朝鮮王朝とカトリック宣教師
第2章 プロテスタント宣教師と権力
第3章 ミッション支配下での教会形成
第4章 ミッションスクールの運営方針
第5章 教会と政治
第6章 朝鮮人クリスチャンの教会批判
第7章 朝鮮人知識人の教会批判
第8章 朝鮮教会と三・一独立運動
終章 1920年代以降の朝鮮教会とナショナリズム
著者等紹介
松谷基和[マツタニモトカズ]
1975年、福島市生まれ。1998年、国際基督教大学卒業(学士)。(株)三菱商事勤務を経て、2002年東京大学大学院総合文化研究科修了(修士)、2003‐2012年、ハーバード大学大学院東アジア研究プログラム(Ph.D.,East Asian Studies)、2009‐2012年、早稲田大学アジア研究機構助手、2012‐2013年、早稲田大学留学センター講師、2013‐2015年、東北大学経済学研究科・国際交流支援室准教授を経て、2016年より東北学院大学教養学部言語文化学科・准教授。専門は、日韓近現代史、東アジアキリスト教史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
20
ハーバード大学への博論の翻訳。韓国のキリスト教史では、韓国教会が日本の植民地支配に抵抗し、民族解放のために多大な貢献をしたという「民族教会史観」が主流なようだ。本書はその通説を覆す主張が展開される。欧米宣教師は教会と民族主義運動の結びつきを警戒しており、朝鮮人クリスチャンと民族的な連携は存在しなく、西洋宣教師との軋轢から、「日本組合基督教会」に加盟する朝鮮人牧師も各地にいたという。日本による「政治的帝国主義」とミッションによる「宗教的帝国主義」の間に置かれた朝鮮人クリスチャンという構図が垣間見える。2021/02/22