内容説明
組織もリーダーもいらない!富と権力を集中させる政府に対し、真の民主主義を求める新たな民衆運動が、いま世界中に広がっている。
目次
「黄色いベスト」運動で問われているもの
第1部 抗議運動の展開(燃料税引上げに対する抗議運動;抗議運動の激化と政府の譲歩)
第2部 モラル経済の破綻(経済的不平等の拡大;租税システムの不公正)
第3部 社会モデルの崩壊(社会分裂の深化;社会不安の拡大)
第4部 代表制民主主義の危機(寡頭政治体制の確立;市民主導の国民投票(RIC))
「黄色いベスト」運動が意味するもの
著者等紹介
尾上修悟[オノエシュウゴ]
1949年生まれ。現在、西南学院大学経済学部教授。京都大学博士(経済学)。日本EU学会理事。2000年と2004年にパリ・シアンス・ポリティークにて客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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jiangkou
8
フランスの黄色ベスト暴動概要本。またいつものフランス人ストライキだろうと思っていたら根底にあるのはグローバル化の影響を受け中流から落ちた困窮者層の運動であることが分かった。これは奇しくもトランプがとらえた支持者層と同じで、金融化した資本主義が機能不全に陥り、民主主義のトップモデルとして格付けされているフランスで直接民主制の導入など現政治体制の否定が始まっている。早晩他の国でも起こる問題だと分かった。本としてはマクロンの政治姿勢を批判するばかりで身が無い。が、概要をとらえるには良い本。2020/02/08
山田浩司
0
フランスで黄色いベスト来た人たちがデモを行っている事は、日本のニュースで以前に見たことがある。 そのデモ活動がどのような人たちが、どのような経緯から行っているのかを解説した本。 根底にあるのは、増税による低所得者層の生活への影響であり、日本でも同じ事が起こってもおかしくないように感じる。 この本は、デモに参加している側の視点が書かれており、直接の原因となった増税を行った大統領・政府に対して否定的に書かれている。2023/03/11