目次
第1部 インド・パキスタン分離独立と難民問題(分離独立とヒンドゥー・ムスリム関係;分離独立による難民の発生と政策)
第2部 農村部での再定住―西ベンガル州のボーダー・エリア(西ベンガル州・ノディア県における難民の移動と再定住;農村部での難民再定住の諸形態;ノモシュードロ―リハビリテーション活動と社会開発;カースト・アイデンティティと難民の記憶)
第3部 大都市圏での再定住―首都デリー(デリーにおける東パキスタン避難民コロニー獲得運動;チットロンジョン・パーク―住民の属性と移動形態;生活空間の構築とベンガルをめぐる模索;近隣関係の構築と都市化・再開発)
著者等紹介
中谷哲弥[ナカタニテツヤ]
1961年生まれ。1990~92年在バングラデシュ日本国大使館専門調査員。1996年甲南大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。1996年奈良県立商科大学(現奈良県立大学)専任講師。2001~02年Delhi School of Economics(デリー大学)客員研究員。現在、奈良県立大学地域創造学部教授。博士(社会学)。専攻は文化人類学、南アジア地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
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1947年にイギリスから独立したインドとパキスタンは両国を挟んで大量の難民が発生した。西パキスタン・東パキスタンからヒンドゥー教徒やシク教徒がインドヘ、インドからはムスリムが東西パキスタンヘ移動した。本書は東パキスタン(現バングラデシュ)からインド側ヘ移動した分離独立難民に焦点を当て、移住先での再定住、地域社会の構築の様子を、西ベンガル州の農村部と、首都デリーでのフィールドワークを中心に分析。◇難民間における移住経験とカーストの微妙な相互関係、デリーでの「ミニ・ベンガル」と呼ぶ生活空間の構築などが注目点。2019/10/01