ジェット・セックス―スチュワーデスの歴史とアメリカ的「女性らしさ」の形成

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  • サイズ B6判/ページ数 416p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750347226
  • NDC分類 687.3
  • Cコード C0036

出版社内容情報

「スチュワーデス」という仕事の誕生から、ジェット族と呼ばれるセレブリティの出現、そして、男性を誘惑する女性たちというネガティブなイメージが生まれるまでの花形の職業の発展史を膨大な一次資料と当事者への聞き取りをもとに描き出す。「スチュワーデス」の歴史は、大戦後の女性表象をめぐって渦巻くジェンダー、セクシュアリティ、冷戦期のプロパガンダ、人種問題、科学技術、美的概念を紐解くことに結実する。

 はじめに



第一章 空飛ぶ看護師、女性パイロット、商業航空の興隆

 萌芽期の航空業界で活躍した女性たち

 空を飛ぶことに関心のある女性たちに開かれた新しい仕事

 航空産業と旅客サーヴィスのはじまり



第二章 スチュワーデスの躍進

 航空業界の挑戦、マーケティング戦略、そして国民的偶像の登場

 空のキッチンと男らしいコックピット

 アメリカを代表するセックス・アピールの創造



第三章 人種の壁を打ち破る

 人種隔離された大空

 航空会社を追及する

 法廷でのアメリカ人女性像の再創造

 世界に向けて人種間の融和を示す



第四章 新しくジェット機で飛び立つ世界

 ジェット機と大衆旅行の夜明け

 ビバリーヒルズのデザイナーたちと異国の地、そしてアメリカの選び抜かれたエリートたち

 ウエストライン、ヘアスタイル、そしてガードル検査

 美しさの道程標、消費主義、世界へ羽ばたく技術



第五章 ウォッカにしますか、お茶にしますか、それとも、わたし?

 共産主義者の男っぽい女性たち、空圧式ドリル、上品ぶった女性たちとリップスティック

 アエロフロートのスチュワーデス、ソビエトのプライドを輝かす

 1968年、空の解放とキャビア



第六章 気遣いの行き届いた接客係から空飛ぶストリッパーへ

 バーネット広告会社、「クリエイティブ革命」、そしてヒップ(カッコよさ)の発明

 シックを高く掲げる

 「フレンドリーな空」

 機上のストリップ、乱れた髪、展示される身体



第七章 美しきビーハイブ(ミツバチの巣)とフェミニストとしての自覚

 ダイヤモンドを空へと投げ放つ

 プリティ・ウーマンたちの逆襲

 フェミニズムの華としてのスチュワーデス

 ふり返ってみれば



 資料収集にあたって



 謝辞



 訳者あとがき



 原注



 著者・訳者紹介

ヴィクトリア・ヴァントック[ヴィクトリア ヴァントック]
著・文・その他

浜本 隆三[ハマモト リュウゾウ]
翻訳

藤原 崇[フジワラ タカシ]
翻訳

内容説明

スチュワーデスという仕事の誕生から、ジェット族と呼ばれるセレブリティの出現、そして、男性を誘惑する女性たちというネガティブなイメージが生まれるまでの花形の職業の発展史を、膨大な一次資料と当事者への聞き取りをもとに描き出す。スチュワーデスの物語は国民のアイデンティティと国際政治とが女性の身体に投影される仕組みと、彼女たちの身体がいかに国民の理想を投影する素地となったのかを浮き彫りにする。そして、その歴史は、大戦後アメリカの女性表象をめぐって渦巻くジェンダー、セクシュアリティ、冷戦期のプロパガンダ、人種問題、科学技術、美的概念を紐解くことに結実する。

目次

第1章 空飛ぶ看護師、女性パイロット、商業航空の興隆
第2章 スチュワーデスの躍進
第3章 人種の壁を打ち破る
第4章 新しくジェット機で飛び立つ世界
第5章 ウォッカにしますか、お茶にしますか、それとも、わたし?
第6章 気遣いの行き届いた接客係から空飛ぶストリッパーへ
第7章 美しきビーハイブとフェミニストとしての自覚

著者等紹介

ヴァントック,ヴィクトリア[ヴァントック,ヴィクトリア] [Vantoch,Victoria]
ジャーナリスト、歴史家。カリフォルニア・サザン大学にて博士号(歴史学)を取得。『ワシントン・ポスト』『ロサンゼルス・タイムズ』『USニュース&ワールド・リポート』などの各紙に記事を寄稿。イースタン航空とアメリカン航空でスチュワーデス職を務めていた母の影響でスチュワーデスの歴史に関心をもつ。米国議会図書館、大学図書館、研究所、および大手航空会社や広告代理店の資料室、またロシアの民間航空局などで資料を収集。同時に、元スチュワーデスが集う「ワールド・ウィングス・インターナショナル」(パン・アメリカン航空)や「クリップド・ウィングス」(ユナイテッド航空)などの協会に足を運び、元スチュワーデスにインタヴューを行う

浜本隆三[ハマモトリュウゾウ]
1979年生まれ。同志社大学大学院アメリカ研究科(現グローバル・スタディーズ研究科)博士後期課程単位取得満期退学。徳島文理大学講師、福井県立大学講師を経て、現在、甲南大学文学部専任講師。専門は19世紀アメリカの文学と文化

藤原崇[フジワラタカシ]
1980年生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。現在、同志社大学嘱託講師。専門は英語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

marumo

22
戦後のアメリカ。彼の国でもスチュワーデスは憧れの職業だったのですね。理想のアメリカンガールを体現し、ハッピーな専業主婦像にもリンク。一方で、飛行することに恋い焦がれる不屈のワーキングウーマンでもありました。好むと好まざるとに関わらず都合のいいかわい子ちゃんのイメージを押し付けられ、フェミニストからは頭空っぽのセックスドール扱いと、彼女たちのあゆむ道は厳しいものだったようです。そして、黒人女性には中々門戸が開かれなかったというのはさもありなんでした。職業から見た女性史、興味深かったです。2019/01/13

スプリント

7
客室乗務員(スチュワーデス)の誕生から、すべての人種への開放までその歴史とエピソードを取り上げています。職業の持つ意味がこれほど変遷するケースも珍しいのでは?2018/12/30

vonnel_g

3
扇情的なタイトルとは全く印象の違う、おもにアメリカにおけるスチュワーデスの歴史。華やか職場という反面、人種差別や労働問題にも決して無縁ではなかったという労働者としての一面も細かく描かれている。最初期は看護職の資格が必要だったという話には驚いた。2019/02/24

2n2n

1
戦後アメリカのスチュワーデス(今でいうキャビンアテンダント)の歴史。単なる職業史と呼ぶには、あまりにスケールのでかい話。なにしろ彼女らは、当時のアメリカ保守層の考える理想の女性像を体現した存在であったと同時に、様々な性差別や人種差別などを強いる航空会社から自分たちの権利を勝ち取るファイターでもあったという、保守と革新の交錯した存在であったのだ。おまけに冷戦期での米ソのスチュワーデスの交流は「どちらの国の女性がより洗練されているか」という米ソの覇権をめぐる戦いを背負ってた側面もあり、とにかくスケールでかい。2019/10/22

takao

1
第2次世界大戦後、スチュワーデスという職業が誕生し、女性のロールモデルとなった。2019/05/29

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