出版社内容情報
大阪市西成区の在日コリアン集住地および韓国・仁川チャイナタウンを主なフィールドとして、移民の持つ「異質性」を地域社会が受け止め、位置づけるに際しての「エスニック文化権」の確立と、それに伴う制度、集団、個人の関係の再構築について分析する。
序章 都市とエスニック・コミュニティをめぐる課題
1 研究の目的と背景
2 先行研究の検討
2.1 地域社会における移民の検討――シカゴ学派
2.2 都市コミュニティとしてのエスニック・コミュニティ研究
2.3 「エスニック文化権」の可能性
3 研究方法
第1章 日本における外国人政策の変遷と在日コリアン
1 外国人施策と在日コリアン
1.1 在日コリアンをめぐる政策の推移
1.2 新たな外国人施策の展開
1.3 大阪市の外国人施策と在日コリアン
1.4 民族学級の取組み
2 小結
第2章 エスニック・コミュニティの形成と地域社会
1 エスニック・コミュニティの形成とコリアンの生活世界
1.1 コリアンの西成への流入と定住
1.2 西成コリアンの仕事とコミュニティの形成
1.3 信仰を通したネットワークの形成
2 西成コリアンの教育とエスニックな文化権を通した共同関係の構築
2.1 西成コリアンの教育
2.2 長橋小学校民族学級の設立
3. 小結
第3章 韓国の移民政策の変遷と在韓華僑
1 朝鮮半島における華僑の定住
1.1 華僑の定住と戦後
1.2 多文化政策と華僑政策
1.3 永住資格と重国籍
2 小結
第4章 エスニック・コミュニティの再構築
1 「仁川チャイナタウン」と仁川華僑
1.1 仁川華僑の定住と暮らし
1.2 「チャイナタウン」の造成
1.3 「チャイナタウン」の展開
2 華僑の文化資源の利用
3 小結――政策主導型エスニック・コミュニティ形成の陥穽と課題
第5章 新しいエスニック・コミュニティの形成
1 韓国における新来型移民と二重言語教育政策
1.1 多文化家族の概要
1.2 二重言語(バイリンガル)教育政策の展開
1.3 二重言語教育政策展開の背景
1.4 二重言語教育政策の効果
2 小結
終章 新たな共同性の構築に向けて
参考文献
あとがき
索引
川本 綾[カワモト アヤ]
著・文・その他
目次
序章 都市とエスニック・コミュニティをめぐる課題
第1章 日本における外国人政策の変遷と在日コリアン
第2章 エスニック・コミュニティの形成と地域社会
第3章 韓国の移民政策の変遷と在韓華僑
第4章 エスニック・コミュニティの再構築
第5章 新しいエスニック・コミュニティの形成
終章 新たな共同性の構築に向けて
著者等紹介
川本綾[カワモトアヤ]
大阪市立大学都市研究プラザ特別研究員。1973年山口県生まれ。ソウル大学校大学院社会学科修士課程修了後、韓国輸出入銀行東京事務所、財団法人日韓文化交流基金等での勤務を経て、大阪市立大学大学院文学研究科人間行動学専攻社会学専修後期博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。甲南大学・四天王寺大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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