出版社内容情報
日本で暮らす在留外国人は約223万人。人口の1.7%を占める外国人たちと地域で平和に暮らしていくにはどうすればよいのか。その一つの方法として、本書ではたがいの文化の違いを知るために対話を重ねることの重要性を指摘する。第一部では多文化共生についての基礎知識、第二部では対話のための具体的なワークショップを紹介。
? 多文化共生を考えるための基礎知識
第1章 日本のなかの「多文化」って何だろう?
1 「多言語・多文化社会日本」とは?
○コラム 言葉に紡がれた「多文化共生」1 『Man'yo Luster 万葉集』『英語でよむ万葉集』リービ英雄
2 「自民族中心主義」と「文化相対主義」
3 「人権」とは何だろう?
4 日本に住む「外国人」はどのくらいいますか?
5 どんな国の人が日本に住んでいますか?
6 外国人はどんな仕事をしていますか?
7 日本ではなぜ「移民」と呼ばないのでしょうか?
8 外国人の受け入れ政策――出入国管理政策
9 外国人の権利と「市民権」とは?
10 「国籍」はどのように与えられるのですか?
11 帰化とはどのような制度ですか?
○コラム 言葉に紡がれた「多文化共生」2 「「日本出身」報道に違和感」大島親方
12 なぜ「帰化」するのでしょうか?
13 「永住」と「帰化」はどうちがいますか?
14 在日韓国・朝鮮人とは?
○コラム 言葉に紡がれた「多文化共生」3 『在日』姜尚中
15 在日韓国・朝鮮人への民族差別と差別解消への取り組み
16 インドシナ難民とは?
17 難民の受け入れの現状は?
18 中国残留日本人とは?
○コラム 言葉に紡がれた「多文化共生」4 『大地の子』山崎豊子
19 1990年代に日系南米人はなぜ増えたのですか?
20 かつて日本は移民の送り出し国だった?――ブラジル移民
○コラム 言葉に紡がれた「多文化共生」5 『蒼氓』石川達三
21 技能実習生とは?
22 看護師・介護福祉士の受け入れの現状は?
23 留学生は増えているのでしょうか?
24 不法滞在者とはどのような人たちですか?
25 外国につながるこどもの教育
○コラム 言葉に紡がれた「多文化共生」6 「言葉の力を信じています」マララ・ユスフザイ
第2章 「多文化」と「共生」するとはどういうことだろう?
1 「同化主義」「多文化主義」から「多文化共生」へ
2 多文化との共生のために必要なこと
○コラム 言葉に紡がれた「多文化共生」7 『寛容論』ヴォルテール
3 こころの壁とは――ジョハリの窓
4 文化接触とこころの反応
5 対話がもたらすものは何だろう?
○コラム 言葉に紡がれた「多文化共生」8 『絆こそ、希望の道しるべ』アウンサンスーチー
6 こころの壁を取り除くために――コンフリクト場面をどう考えるか
7 異文化をどう考える?
8 ヘイトスピーチをするのは言論の自由ですか?
○コラム 言葉に紡がれた「多文化共生」9 『自由への長い道』ネルソン・マンデラ
9 自立した市民を育てる教育――シチズンシップ教育
10 日本の多文化共生政策――社会統合政策
11 日本の社会統合政策の課題――移民統合政策指数(MIPEX)
12 どのようなかかわりが「多文化共生」をもたらしますか?――接触仮説
○コラム 言葉に紡がれた「多文化共生」10 「私には夢がある」キング牧師
13 ボランティア精神とは何ですか?
14 外国につながる人たちは地域とどうかかわりたいと考えていますか?――ボランティア精神での交流
15 外国人市民はどのように多文化共生にかかわっていますか?
? 多文化共生のための実践
第3章 「ちがい」を楽しむ対話のワークショップ
1 「ちがいに気づく」レッスン ちがいのちがい
2 「ちがいの意味に気づく」レッスン レヌカの学び
3 「文化のちがいの意味に気づく」レッスン カルチャーアシミレーター
第4章 対話の実践現場から
1 留学生教育の場――対話の空間での学び
2 地域の多文化共生の場――NPO法人たちかわ多文化共生センターの取り組みから
あとがき
引用・参考文献・DVDおよびウェブサイト
倉八 順子[クラハチ ジュンコ]
慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(教育学)。
明治大学農学部助教授を経て、現在、多文化対話教育研究所代表、和洋女子大学講師(日本語教員養成課程)、大原日本語学院講師、NPO法人たちかわ多文化共生センター理事など。
東京都立川市役所職員研修「多文化共生」、東京都市町村係長現任研修「多文化共生」、立川市国際理解多文化共生講座などで講師を務める。現在、立川市多文化共生推進委員会副委員長。
[主な著書]
『コミュニケーション中心の教授法と学習意欲』風間書房、1998年
『こころとことばとコミュニケーション』明石書店、1999年
『日本語の作文技術 中・上級』古今書院、2000年
『多文化共生にひらく対話――その心理学的プロセス』明石書店、2001年
『日本語表現の教室 中級――語彙と表現と作文』古今書院、2005年
『日本語の作文力練習帳 上級――大学・大学院で学ぶために』古今書院、2012年
『日本語の論文力練習帳』古今書院、2015年
[分担執筆]
渡戸一郎・川村千鶴子編著『多…
目次
1 多文化共生を考えるための基礎知識(日本のなかの「多文化」って何だろう?;「多文化」と「共生」するとはどういうことだろう?)
2 多文化共生のための実践(「ちがい」を楽しむ対話のワークショップ;対話の実践現場から)
著者等紹介
倉八順子[クラハチジュンコ]
慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(教育学)。明治大学農学部助教授を経て、現在、多文化対話教育研究所代表、和洋女子大学講師(日本語教員養成課程)、大原日本語学院講師、NPO法人たちかわ多文化共生センター理事など。東京都立川市役所職員研修「多文化共生」、東京都市町村係長現任研修「多文化共生」、立川市国際理解多文化共生講座などで講師を務める。現在、立川市多文化共生推進委員会副委員長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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