目次
序章 比較福祉国家研究のなかの日本と韓国
1章 福祉国家研究の2つの潮流
2章 日韓比較分析の新しい視点
3章 時間軸の比較視点でみた日本の福祉国家
4章 日本との比較でみた韓国の福祉国家
5章 日韓における失業・貧困対策
終章 日韓比較を超えて
付章1 韓国における雇用保障政策―「21世紀型完全雇用政策」
付章2 福祉国家化以降の韓国社会―「過酷な現在・不安な将来」
著者等紹介
金成垣[キムソンウォン]
1973年韓国ソウル生まれ。延世大学社会科学部社会福祉学科卒業、東京大学大学院人文社会系研究科の修士・博士課程修了。博士(社会学)。東京大学社会科学研究所助教を経て、東京経済大学経済学部准教授。専攻は福祉社会学、比較福祉国家論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hurosinki
4
細かい話は少なく、概略を把握するには良さそう。福祉国家の構成要素として、①雇用保障を主軸、②社会保障を副軸と位置付ける。副軸たる社会保障のあり方は雇用保障に左右される(p57)。福祉国家の性格を規定するものとして、その成立時期における産業構造を重視しており、日韓の福祉国家の特徴の相違点も福祉国家の成立時期の違いから説明できる。後発資本主義国という歴史的条件が、戦後成立した日本の福祉国家の性格を規定し、①雇用保障政策において「全部就業政策」、②社会保障政策において「混合型社会保険」を有するようになった2023/04/27