内容説明
「横浜ガイジン」五世代による感動のファミリーヒストリー。明治2年にドイツから来日した“お雇い外国人”の曽祖父と日本人の曽祖母、日本のアウトサイダーとして横浜居留地に生きたその子孫たちの足跡を四代目となるアメリカ人の著者が辿る―もうひとつの日本近現代史。
目次
ヘルム一族の終焉
一介のガイジン
養子縁組
曽祖父ユリウスの足跡を追って
ユリウスとヒロ
新天地での試み
“あいのこ”たちの人生
マリコとエリック
戦争のはざま、文化のはざまで
関東大震災
戦争の足音
日本からアメリカへ
「ヘルム一家はジャップだ!」
悲喜こもごもの帰郷
占領と恋
シンチンゲル一家
ドンとバーバラ
横浜での日々
能登への旅日本人の遠縁
恥から誇りへ
日本人のルーツを探して
血のつながり
より強い絆へ
もうひとつの“山手”からの眺め
終章
著者等紹介
ヘルム,レスリー[ヘルム,レスリー] [Helm,Leslie]
1955年横浜生まれ。横浜インターナショナル・スクール卒業後に渡米、カリフォルニア大学バークレー校ではアジア研究で修士号を、コロンビア大学ではジャーナリズムで修士号を取得。ビジネスウィーク誌、ロサンゼルス・タイムズ紙の記者を長年務め、東京特派員として2度来日、計8年日本に滞在した。現在は月刊誌「シアトル・ビジネス」の編集長を務めている。シアトルに暮らしている
村上由見子[ムラカミユミコ]
著述家、慶應義塾大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプリント
3
明治初期から戦後にかけて日本で港湾運送業を営んできたヘルム一族の歴史を第四世代の著者が書き綴った本です。表題どおり一族の波乱の歴史を中心に、著者自身の半生を交えながら書かれています。著者夫婦と日本人の養子二人の家族関係に興味を惹かれました。2015/11/07
cooちゃん
1
一気に読みました。こんなにも没頭して徹夜で読んだのは何年ぶりでしょうか。 日本語版へのあとがきに、 「日本では、“ガイジン”だったが、アメリカにいてもアウトサイダーのように感じていた」の一文は、胸の奥を締め付けられるような寂しい共感を覚えました。2018/07/24
tegi
1
日本各地に残る、「お雇い外国人」一族の歴史を重層的に辿る。極めて個人的な物語と、日本を含む諸国の大きな物語とがつねに交錯する語りが実に面白く、読み手の心を広げる。歴史を深掘りするミステリ的展開に知的好奇心も満たされるが、後半、著者と子供たちの現在進行系の物語に重心がうつっていく部分にこそ本書の希少さがあると思った。2017/08/12
mn
0
知らなかった世界2024/08/15