目次
第1章 国際関係論とジェンダーの視点から見る「アラブの春」
第2章 経済、教育、労働、政治参加、そして法整備とジェンダー
第3章 「アラブの春」までのチュニジア、エジプト
第4章 「アラブの春」までのバハレーン、サウディアラビア、モロッコ
第5章 チュニジア―トップレス抗議と「セックスの聖戦」から見える権威主義政権崩壊の代償
第6章 エジプト―ムスリム同砲団と軍に翻弄されるジェンダー
第7章 バハレーン―暴力の激化と戦略としてのヴェールの着用
第8章 サウディアラビア―政治参加促進と身体の管理というアンビヴァレンス
第9章 モロッコ―レイプ強制結婚から刑法改正へ
著者等紹介
辻上奈美江[ツジガミナミエ]
東京大学総合文化研究科特任准教授。大阪外国語大学外国語学部(アラビア語専攻)卒業、神戸大学大学院国際協力研究科博士前期課程修了(経済学修士)、英国エクセター大学アラブ・イスラーム研究科修士課程修了(M.A)。神戸大学大学院国際協力研究科博士後期課程修了(博士(学術))。在サウディアラビア日本大使館専門調査員、日本学術振興会特別研究員(PD)、高知県立大学専任講師を経て現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kenji Suzuya
1
アラブの春前後での中東地域でのジェンダー状況の変化について、チュニジア、エジプト、バハレーン、サウディアラビア、モロッコの5ヶ国を事例として取り上げて記述している。活動の特徴としては、権利拡大を求める通常の活動のみならず、イスラーム的規範を戦略的に利用することで安全を確保しながら抗議活動に臨んでいく姿が捉えられている。しかしながら本書は、著者が(視聴したニュースを含めて)見聞きした事例を単に並べただけという印象が強く、深い分析や考察がなされているとは言いがたい。2014/12/27
ポルポ・ウィズ・バナナ
0
ジェンダーとは皆が暗黙のうちに同意した虚構。それを反復的に演じることで様式化する(Jバトラー)様式的に「女性性の解放」を統治に利用する権力者がいるのは日本も同じ。レイプやセクハラに対する認識は大差ないのに関わらずその自覚がないのはより酷いかもしれない。2014/12/16
sayanu
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2014年刊行。「アラブの春」でイスラム諸国(主に中東)がどう変化したのか、そもそもどのような変化を求めていたかといった内容。 基礎知識に乏しく、あまりの多様性を受け止めきれないまま読了してしまった。 宗教という支配体系と伝統支配体系と国家が、現実を巡って複雑に絡み合う世界がそこにはあり、1つのイメージでは語りきれない現状がある。2018/02/16
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