内容説明
「共感」と「支えあい」の社会実現のために私たちは何ができるだろうか―。NPO法・介護保険法成立に寄与した著者の政治・市民活動50年の実践から語る、利己主義を極めて利他主義につなげるという生き方。「自分のため」にはじめる社会変革。
目次
1 人間と組織(個人;組織;人間は「変わらない」が、「変わる」)
2 社会は、どう動くか(社会とは;「協同」という原理;人間らしい社会を創る;変革主体の創造―上野千鶴子の田中批判から考える)
3 人間らしい国家へ(国家;「共感」と「支えあい」の社会へ;「共感」が波動する社会へ)
著者等紹介
田中尚輝[タナカナオキ]
1943年京都市生まれ。1966年中央大学中退。認定NPO法人市民福祉団体全国協議会(市民協)専務理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
18
息苦しい社会を変える、という意思(4頁)。意思のみならず、行動に移すこと。超・利己主義は自力を主に他者の力量や才能を引き出す側に回し、目たたないこと、WIN-WIN関係の形成(32頁)。日本人は、原発は平和利用、未来の科学で、尊敬すべきアメリカによる安全性の保証があるという夢から覚醒しなければならない(54頁)。NPOに欠けるのは社会変革意欲(93頁)。NPOにも奇妙な存在がいるし。自発性に基づいて感性を大事にしながら、旧脳を活発にし、社会を変えるために生きていくこと(94頁)。 2014/11/04
ひつまぶし
2
政党政治にかかわり、市民活動の活性化に寄与してきた著者の語りは説得力がある。運動論というより社会批評みたいな箇所も少なくなかったが、そこも面白い。政治を功利主義か社会契約説かで読み解けるという話、政権を潰すために全学連のデモがアメリカに利用されていたという話、官僚による政治家支配の手法、核武装のための原発推進とロケット打ち上げ、アメリカとの密約、官房機密費がマスコミに渡っている話などなど。〈公共善〉を作ることの意義や位置付けなど、納得がいく話だった。脳科学の知見を前提に持ってきたことが個人的には印象的。2024/11/22
Ishida Satoshi
2
読了。シニアの社会参加のあり方を考える活動家である著者。個人的には上野千鶴子からの批判への応答の箇所は興味深く読ませていただいたとこですが、本書は強権的なリーダーを想定しているのではなく、誰しもが社会を変えるリーダーになりうるという視点から、著者の政治、哲学に対する考え方や自分史を踏まえた上で求められるリーダー像を展開。リーダーも人間だから、自身が目標を持って進むのは利益(利己)があるからであって、リーダーもその例外ではないわけです。大事なのは、自己の利益も考えつつ、多くの他人や協力者を思いやれるかどうか
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