内容説明
本書では、中国少数民族を主人公として扱い、中華人民共和国の成立以前から営々と続けてきた彼らの森林文化と本来持っていた森林利用権のありようを明らかにした。彼らの森林と共生する生活様式を当該地域の未来の経済社会構築の中核に据えるべく、その現代的な意義と価値を提示。中国政府の政策立案におけるジグザグ・唐突性と執行における強権性を直視する。
目次
第1部 雲南少数民族の森と文化の実情(地域のカミを祀る村―西双版納〓(たい)族自治州〓(ぼう)海県〓(ぼう)遮郷曼来村(タイ族)
他村の森に焼畑を開いた村―同州〓(ぼう)海県巴達郷曼来村老寨(ハニ族)
西双版納国王巡幸伝説の村―同州〓(ぼう)海県布朗郷吉良村(プーラン族) ほか)
第2部 諸課題の分析(雲南少数民族の民族史と自然生態;少数民族の権利を侵してきた森林政策;森林の分類と利用 ほか)
第3部 結論と提案(少数民族の森林文化の現代的意義;焼畑はなぜ重要か;新しい森林政策と思想―私たちの提言)
著者等紹介
比嘉政夫[ヒガマサオ]
1936年沖縄県那覇市に漁師の子として生まれる。琉球大学国文科卒業。東京都立大学大学院修士・博士課程で社会人類学専攻。1973年より琉球大学講師・助教授・教授。1994年国立歴史民俗博物館教授、2002年同名誉教授。同年沖縄大学法経学部教授、2008年同退職。沖縄民俗学会会長。2008年東恩納寛惇賞
大崎正治[オオサキマサハル]
1937年大阪市に生まれ、京都大学経済学部卒業。同大学院修士課程で経済学修士取得。同博士課程を単位修得中退。2008年國學院大學名誉教授。いまは自給用の有機農業を営んでいる。専攻は経済人類学(とくにフィリピン先住民と中国先住民)、環境経済学(とくに森と水、地球温暖化)
杉浦孝昌[スギウラタカヨシ]
1983年早稲田大学大学院博士課程前期修了(経済学修士)、1990年同博士課程後期単位修得退学。経済人類学専攻(とくにフィリピン、ボントク族とラオス、イゥーミエン族)。国士舘大学文学部(非常勤講師)
時雨彰[シグレアキラ]
2000年國學院大學大学院博士課程後期修了、歴史学博士取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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