目次
エジプト―革命と国有化で失われた「投資上、事業上の最好適の地」
レバノン―内戦に沈んだ「中東のセンター」
アデン―「中東のシンガポール」から「アラブ唯一の共産主義国家」へ
バーレーン―「湾岸の真珠」を覆う宗派対立の影
クウェート―「湾岸のフロント・ランナー」再生への模索
ドバイ―その成功と課題
トルコ―再生した中東の大国
著者等紹介
山口直彦[ヤマグチナオヒコ]
1962年佐賀県生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。日本貿易振興機構(ジェトロ)でのバグダッド、カイロ、ロンドン、ジャカルタ、イスタンブールなどでの勤務、公正取引委員会事務総局国際協力企画官、トルコ国立ボアズィチ大学アタテュルク近現代史研究所客員研究員などを経て、福岡女学院大学教授。専門領域は中東を中心とする国際政治・経済及び中東の近現代経済史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
1
ふむ2025/01/10
コカブ
1
中東で「経済のハブ(地域経済の中心地)」となった場所を取り上げるという、少し変わった視点の中東経済史に関する本。ただし、西欧列強進出後(19世紀以降)の時代の話。エジプト・レバノン・アデン・バーレーン・クウェート・ドバイ・トルコが取り上げられている。おおむねハブとしての歴史が古い順に並んでいる。ドバイやトルコの勢いは、今のニュースでも耳にする。ところが、元々エジプトが中東経済の中心だったという。これは驚きだが、ヨーロッパとアジアをつなぐ要衝だったのだから当たり前の話だ。2014/02/11
Kenji Suzuya
0
中東地域での経済ハブの栄枯盛衰を描く。ナセル革命までのエジプト、レバノン内戦までのベイルート、イエメン内戦・英国撤退までのアデン、バーレーン、ドバイ、トルコが扱われる。いずれも地域における相対的な安定性が経済的な繁栄の鍵であり、他の経済ハブが紛争等で衰えることで新たな経済的な拠点としての地位を確立し、自らもまた紛争等でその地位を失う。2017/01/09